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「ショウヘイは簡潔な返答が多いからさ…」ドジャース番記者は大谷翔平をどう“攻略”した?「巨大な存在になったけど、普通の人間なんだ」 

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杉浦大介

杉浦大介Daisuke Sugiura

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photograph byGetty Images

posted2024/11/09 11:00

「ショウヘイは簡潔な返答が多いからさ…」ドジャース番記者は大谷翔平をどう“攻略”した?「巨大な存在になったけど、普通の人間なんだ」<Number Web> photograph by Getty Images

大谷翔平を近くで見続けてきたドジャースの番記者が、激動の1年間を振り返った

――1年にわたって触れ合った「大谷翔平」という人間をどう感じたか

JH 物静かで、自分の時間を大事にする男だ。フィールド上で感情を表に出し、エナジーを表現することもある。私たちのような記者の観点からいうと、それほど頻繁に交流できるわけではなく、囲み取材での返答も簡潔なものが多いから、どういう人間かを感じ取るのは容易ではない。メディアの一員としては、ショウヘイ自身が望んだ通り、表面だけしか見られなかったとも感じる。ただ、チームの関係者やチームメイトは、子供のような部分を持ったノーマルガイだというふうにショウヘイを形容するのをよく耳にする。ドジャースのクラブハウスにはよくフィットしていたように思える。

FA エンゼルス時代と比べ、より成熟したと思う。メジャー入りした際は23、24歳だったが、今では30歳。結婚し、相応の経験も積んだ。ドジャースとの契約という人生最大の選択を終え、これまでよりも自信、快適さを感じさせるようになった。新しい契約の形態をチームにとって有利なようにしたり、水原一平事件にも上手に対処したことなどからも成長は見てとれた。これまでも常にショウヘイからは“自身がどういう人間かをわかっている人間”という印象を受けてはいたので、彼のことを未成熟だと思っていたわけではない。ただ、今ではそれに加え、年齢を重ね、いくつかのことを達成したことからくる落ち着きを漂わせるようになった。

「英語は流暢とまではいかないが…」

――エンゼルス時代と比べ、大谷の英会話は上達したと思うか

JH そう思う。彼の周囲の人間は“ショウヘイは話せる”という。会見でも英語での質問も理解しているようで、プレーオフ開始時のセッションは「ナーバスになっているか?」という問いに即座に否定していた。新しいチームの新しいチームメイトたちに馴染むのに、十分なコミュニケーションが取れるレベルのものだったと推量できる。その一方で、まだ流暢ではなく、私たちとのやりとりでは通訳を介していた。まだ流暢とまではいかないが、向上はしているのだろう。

FA 向上しているように感じる。ショウヘイほど注目されている選手なのであれば、通訳を通してのやり取りになるのは理解できる。スペイン語圏の選手たちと同じように、英語で返答するまではいかなくとも、慣れてくると取材時のやり取りの際にまず英語でどんな質問をされたかを理解するようになる。ショウヘイもその段階ではないかと思う。

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