箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
「いや、狙っていたんで」立教大まさかの全日本駅伝シード権獲得は“ラッキー”にあらず…「粘り」と「準備」で箱根駅伝でも台風の目になるか
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byKiichi Matsumoto
posted2024/11/06 17:42
全日本駅伝、7位でシード権を獲得してガッツポーズの立教大アンカー・安藤圭佑(4年)
「今回、シードを獲れて、ここでの目標は達成できましたし、次に繋がるレースはできました。ただ、全部をこう両手を上げて喜べないところもあるので、そこをクリアしていかないと。正直、箱根に向けてはあまり明るいものが見えてこないです。
うちは、人はいますし、選手層としては厚くはなってきていますが、こういう大会での経験値が足りない。プレッシャーのかからないところでのびのび走るだけではなく、緊迫した所でも力を出し切る、チームが困難に直面した時に立ち向かっていける……箱根に向けてはそういう強さが必要になってくると思います」
箱根のメンバーも変わってくるかもしれない
駅伝は終わったが、個々の経験値を増やすことは可能だ。
全日本を走った選手以外、箱根の予選会に出たメンバーを含めて中間層の選手は上尾ハーフなどに出場し、条件の良いところでのハーフの走りを確認していく。全日本に出場した選手たちは、11月23日のMARCH対抗戦で10000mに出場する予定だ。トラックシーズンに全日本の予選会、10月に箱根の予選会があったので、なかなかトラックでタイムを狙うことができなかったからだ。MARCHに出場する強豪校の強い選手と走ることで、自信をつける意味合いもある。
「うちには、中西を始め、全日本の予選会に出た鈴木(愛音・1年)ら力のある選手がいます。箱根の予選会はあの暑さの中、65分台ぐらいだったので、自信をもって箱根のハーフを走れるかというときつい。上尾とかで見てみたいと思っています。そこで結果を出す選手が出てくれば、箱根のメンバーも少し変わってくるかもしれない。いい意味で、どんどん突き上げてほしいですし、そういう選手がひとりでも多く出てきてほしいですね」
スピードのチームが今季、髙林監督の指導で「粘り」を手に入れた。きれいに戦うチームに、タフさと強さが身についてきた。箱根でシードを狙う他校には、今大会躍進した立教大は「驚き」ばかりではなく、「要注意」と深く刻まれたに違いない。