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「クビでも仕方がない…」中央大、箱根駅伝“まさかのシード落ち”から10カ月「予選会で6位って、大丈夫かね?」の声も…青学大・原晋監督が警戒する実力 

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生島淳

生島淳Jun Ikushima

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photograph byYuki Suenaga

posted2024/10/23 11:01

「クビでも仕方がない…」中央大、箱根駅伝“まさかのシード落ち”から10カ月「予選会で6位って、大丈夫かね?」の声も…青学大・原晋監督が警戒する実力<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

10月19日の箱根駅伝予選会、6位で本大会に進んだ中大。写真はチーム1位、全体17位の走りを見せた白川陽大(3年)

 今回の予選会は、多くのチームの主力が棄権した。東京国際大のキャプテン楠木悠人、神奈川大のエース宮本陽叶、東海大のロホマン・シュモンらが体調不良となり棄権。今回は解説を務めた神奈川大の大後栄治前監督は、こう話した。

「レース前、何校かの監督さんに、『大後さんだったら、この暑さ、どうしますか?』と聞かれたので、20秒か30秒、設定を下方修正した方が無難と話していたんです。結果として、今回はスピードのある学校ほど、たいへんなレースになりました。最初の5kmをポーンと入ってしまい、後半になってダメージが来てしまったんじゃないでしょうか。異常気象の影響としか言いようがありません」

青学大・原晋監督は警戒「中央が面白そう」

 過酷な暑さのなかでの6位通過。藤原監督はホッとした表情を浮かべた。

「暑い状況で、ハーフマラソンの経験が浅い1年生が5人走ってこの結果は上出来です。その1年生たちが頑張ってくれて、岡田(開成)がチーム内で2位、原田(望睦)、佐藤大介がそれぞれ4位、5位に入ったのは収穫になります。それにたまたまというか、結果として11月3日の全日本に向けて、5人を温存できたことになるので、全日本では勝負に行きたいところです」

 5人。

 その5人とは、吉居駿恭、溜池、柴田に加え、前回の箱根駅伝6区で区間5位と好走した浦田優斗(4年)、現在、夏の故障から回復途上の本間颯(2年)の5人だ。

「現状、吉居と本間がかなりいい練習が出来ているので、全日本での走りを楽しみにしています。彼らと予選会を走ったメンバーを組み合わせて、どうチームを編成していくか。今後の状態次第ですが、5番以内は狙っていきたいですし、去年が4位だったので、出来ればそれ以上は目指したいところです」

 つまり、3位だ。

 10月14日に行われた出雲駅伝では国学院大が優勝、駒澤大が2位、そして青山学院大が3位に入った。中大は、この一角を崩しにかかるという意味だ。

 そういえば出雲駅伝が終わってから、青山学院大の原晋監督が、今年の中大を警戒していたのを思い出した。

「今年は出雲駅伝を勝った国学院、2位の駒澤、そして青山学院の3強に加えて、中央が面白そうだよね」

 有力校から見ても、中央は警戒対象となる学校なのだ。

 崩せるかどうかは、メンバー編成による。予選会の上位で走った白川陽大(3年・チームトップ)、2位の岡田、駅伝経験豊富な阿部陽樹(4年)らを中心とし、そこに戦線復帰組を加える。気になるのは溜池、柴田の状態だが、藤原監督に突っ込んで聞くと、「起用については回復の状況を見ながらですが、柴田の方はジョギングを始めています」とのことで、無理はさせたくない様子だった。

 さて、11月3日に藤原監督はどんなオーダーを組んでくるか。

 今回の予選会も溜池と柴田がいれば、トップ通過していたのではないか。監督就任9年目、そろそろ「優勝」というブレイクスルーが欲しいところだ。

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