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五十嵐亮太、15年ぶりのMLB生観戦。MLB公認のJTBツアーだからこそ体験できた「特別な時間」。
text by
五十嵐亮太Ryota Igarashi
photograph byRyota Igarashi
posted2024/12/18 10:00
テレビ画面ではあまり分からなかったですが、実際に生で見るとこれがもの凄い距離なんですよ。こんなところまで飛ばしたのかと本当に度肝を抜かれましたね。球場の外の建物にも選手たちの壁画が描かれていて、その中心は大谷選手と山本選手。改めて、全てが凄いです。二人の注目度や熱気は、現地に来て生で体感できたものの一つです。
MLB公認のツアーだからこそ出来ること
MLB公認のJTBツアーでしか味わえないことも沢山ありました。この日は夜7時試合開始のナイターでしたが、僕らはホテルからツアーバスに乗って2時過ぎに到着。お客さんが誰もいない球場に入って、スタジアムツアーを体験しました。日本語のガイドさんの説明を聞きながら球場の歴史やドジャースという球団の歩みなどを知ることができたし、展示されているお宝グッズの数々を見て回るのも楽しかったですね。
自分はMLB3球団でプレーしていましたが、他球団のことは正直そこまで詳しくないんです。このツアーで初めてドジャースの名前の由来を知ったくらいですからね。球団がニューヨークにあった時代に、ブルックリンで路面電車を避けながら忙しそうに歩く人たちのことを「ドジャース」と呼んだらしくて。それ以外にも色々なトリビアを聞いて、僕も時に「へえ!」と驚きながら楽しく過ごすことができました。
スタジアムツアーは一般のお客さんが入れないところを見られるので、途中で選手とすれ違うこともあるんです。僕が行った時はちょうど、リバー・ライアン投手がクラブハウスに来るところを見ました。ライアンは僕が日本で解説していた試合で右肘を故障してしまったんですよ。投げた瞬間に厳しい表情を浮かべていたのでこれは靭帯を痛めただろうなと思っていたら後からトミー・ジョン手術を受けるというニュースを見ました。この日はギプス姿で、僕も手術を経験した身としてすれ違いながら「リハビリ頑張ってください」と心の中で祈りました。
ツアーの後はスタンドで試合前練習を見学。一般のお客さんが入る前だったので、打球の音も響くような静かな中で練習を見ることができて、これもツアーでしか味わえない特別な体験でした。この日はちょうどテオスカー・ヘルナンデスのボブルヘッドが配られる日で、それもゲットできたし、お店のオープンとともに飲食店に入って全く並ぶことなく飲食もできました。ビールを4本頼んで100ドルって言われた時はびっくりしましたけどね(笑)。