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五十嵐亮太、15年ぶりのMLB生観戦。MLB公認のJTBツアーだからこそ体験できた「特別な時間」。

posted2024/12/18 10:00

 
五十嵐亮太、15年ぶりのMLB生観戦。MLB公認のJTBツアーだからこそ体験できた「特別な時間」。<Number Web> photograph by Ryota Igarashi

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五十嵐亮太

五十嵐亮太Ryota Igarashi

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Ryota Igarashi

メジャーリーグベースボール(MLB)はドジャースの劇的なワールドシリーズ制覇で幕を閉じた。2025年の開幕戦であるMLB WORLD TOUR TOKYO SERIESの詳細が発表され注目を集めるなか、来シーズンに向けて試合観戦を含むJTBのホスピタリティ・パッケージ販売が注目を集めている。JTBは2024年からMLB WORLD TOUR(国際試合)とアジアにおけるトラベル&ホスピタリティ事業のオフィシャルパートナーとなったことで、多彩な観戦体験を提供することが実現した。シーズン終盤にアメリカ・ロサンゼルスで3泊5日のツアーを実際に楽しんだ元メジャーリーガーの五十嵐亮太氏が、その興奮体験を振り返った。

 めちゃくちゃ盛り上がった今シーズンのMLB。僕もこの夏、ドジャースタジアムでその興奮を味わってきました! スタンドから野球を観戦するのは現役引退後初めて。MLBの試合ではヤクルト時代の2009年オフにヤンキース時代の松井秀喜さんが出場されたエンゼルスとのリーグ優勝決定シリーズを見に行って以来、15年ぶりの生観戦でした。当時も感激して帰ってきたのですが、今回はその時のウキウキをも超える期待以上の楽しさを味わうことが出来ました。

 対戦カードは8月21日(現地時間)のドジャース対マリナーズ。大谷翔平選手が5試合連続となるライト前ヒットを打って盗塁も決め、注目の数字を「39-39」まで伸ばした試合でした。目の前で試合を見て、最初に感じたのは「メジャーのピッチャーって球、速っ!」。いや、僕も現役時代は投げていたんですけどね(笑)。それにしても自分、本当に投げてたっけ? と感じるくらいのスピード感に度肝を抜かれました。その速い球を打って、守って、走る選手たちのダイナミックなプレーとスピード感たるや。臨場感たっぷりの生観戦は、野球の楽しさに溢れていました。

 解説者として大谷選手の姿はキャンプ取材や韓国でのシーズン開幕戦などで見てきましたが、実際にスタンドから見ると驚くほど大きいんです。メジャーの選手に比べて「引けを取らない」のではなく、あの大きな選手たちの中でもトップクラスに体が大きくて分厚い。生で見てあらためて、メジャーに本当にこんな日本人選手が生まれたんだ、と感慨深い思いに浸りました。

 何より感動したのは、大谷選手に対するファンの熱狂です。そういった報道は日本のニュースや情報番組などでもよく目にしますが、僕はちょっとだけ「日本の報道番組だから多少“盛っている”んだろう」と思っていたんですよ。ところが実際はもう、テレビで見る以上。日本人のファンはもちろん彼に夢中ですが、地元ファンはもっと夢中になっている。とにかくもの凄い熱気でした。

 まず球場を歩いていると、大谷選手と山本(由伸)選手のグッズが、もう尋常じゃないくらい売られている。これだけでビックリです。100mと歩かない範囲に複数のショップがあって、おびただしい種類のグッズがある。そのほとんどが二人のもので、そこに少しムーキー・ベッツやフレディ・フリーマンのものがあるという感じ。スタンドでも現地のファンの多くが大谷選手のユニフォームを着ています。凄まじい人気ぶりを実感し、同じ日本人として本当に誇りに思いました。

 僕は内野席で観戦していたのですが、試合の合間には外野席にも行ってみました。通路のラインのところにファンがすずなりに立って見ていたので、何かと思ったらホームランボールを捕ろうと待ち構えているんです。それから、大谷選手が7月のレッドソックス戦で放った30号の飛距離144mを体感しようと、打球が通過した右中間にあるピンクの「DAISO」看板も見に行きました。

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