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「醜い戦い」自国メディア酷評も…オーストラリア監督が本音「日本からチャンス作るのは難しい」シュートわずか1本“弱者のサッカー”を選んだ理由
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byKiichi Matsumoto
posted2024/10/17 17:04
三笘薫ら強力なタレントを擁する日本に対し、守備的な戦い方を徹底したオーストラリア。試合後、トニー・ポポビッチ監督が本音を語った
「醜い戦い」オーストラリアメディアは厳しい論調
日本と拮抗した戦いを演じていた当時のオーストラリアには、ティム・ケーヒルやハリー・キューウェル、マーク・ビドゥカやマーク・シュワルツァーのような「個」が揃っていた。欧州のトップリーグでポジションをつかんでいる選手を、何人も見つけることができた。
今回のチームも欧州組は多い。だが、タレントの粒はかつてよりも小さい。かなり、小さい。「個」で問題を解決できる選手が減っていることも踏まえて、ポポビッチは「すべての分野で改善をする必要がある」と言う。そのうえで、チームのパフォーマンスを改めて評価した。
「新しい選手、新しいコーチをデビューさせたなかで、2試合で勝点4を積み上げることができた。そこは嬉しく思っています。今日の試合が選手にとって、大きな自信になればいい」
この試合を伝えるオーストラリアの報道では、「サッカールーズが追い求めたような歴史とは程遠い内容」とか「醜い戦い」といった厳しい指摘があった。「FIFAランキング16位の日本から、何かを奪うチャンスがあるとは思っていなかった」との記述もあった。現地のメディアも現状を憂いつつ、日本との間に横たわる実力差を認めているのだろう。
次の対戦は来年6月だ。ホームに日本を迎え撃つその日までに、ポポビッチはオーストラリアのアイデンティティを復活させることができるのか。それとも、再び日本を強者と見なすのか。
両国の対戦は、新たなフェーズへ突入しつつある。