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「醜い戦い」自国メディア酷評も…オーストラリア監督が本音「日本からチャンス作るのは難しい」シュートわずか1本“弱者のサッカー”を選んだ理由
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byKiichi Matsumoto
posted2024/10/17 17:04
三笘薫ら強力なタレントを擁する日本に対し、守備的な戦い方を徹底したオーストラリア。試合後、トニー・ポポビッチ監督が本音を語った
1対1のドローは「良い結果」? ポポビッチ監督の本音
ポポビッチは3対1で勝利した中国戦から、スタメンを6人入れ替えていた。史上最年長での代表デビューとなる34歳のMFルーク・ブラッタン、中国戦で8年ぶりの代表復帰を果たしたDFジェイソン・ゲリアらが先発に名を連ねた。「体調を崩して使えない選手もいた」としたうえで、スタメンの選定についてこう話している。
「フレッシュな体調とフレッシュなメンタルで、この試合を始めたかった。我々のチームは全員が日常的に高いレベルでサッカーをしているわけではない。そういう状況でいきなり日本代表のようなチームと戦うのは厳しいので、一人ひとりのコンディションを見極めてスタメンを組む必要がある」
後半は開始から自陣3分の1での攻防が続く。攻撃の圧力を強めてきた日本に押し込まれ、攻撃の足がかりも見つけられない。そのなかで、58分に先制点を奪う。右ウイングバックのルイス・ミラーのクロスが、谷口彰悟のオウンゴールを誘った。
1対0で推移していた73分、ポポビッチが動く。警告を受けていた左ウイングバックのジョーダン・ボスを下げ、経験豊富なアジズ・ベヒッチを投入する。同時にM・デュークをベンチへ呼び戻し、ニシャン・ベルピレーを1トップに置く。中国戦で代表デビューを飾り、ダメ押しの3点目を決めたベルピレーは、前線の守備強度を維持するタスクも担う。
しかし76分、中村敬斗に右サイド深くまで侵入され、キャメロン・バージェスがオウンゴールを献上してしまう。彼の背後には上田綺世が詰めていたから、この失点は避けられなかっただろう。
ポポビッチは82分と88分にも交代のカードを切ったが、日本のゴールへ迫ることはできなかった。1対1で試合を終えると、記者会見でチームのパフォーマンスを讃えた。
「いまの我々の状況を考えると、良い結果です。日本は長い間同じメンバーでプレーをしている。こちらは4回しかトレーニングセッションをしていないし、色々な変更がありました。でも、それは言い訳にはしたくない。勝点1を取れて良かったと思う。もちろん勝つためにここへ来たわけで、1対0で勝てるチャンスはあったけれども、同点に追いつかれてしまいました」