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「ちょっと待てよ…こんなに簡単に勝てるはずがない」男子バレー日本代表<関田誠大、山本智大、西田有志が語る>パリ五輪・イタリア戦の真相
text by
田中夕子Yuko Tanaka
photograph byGetty Images / Kaoru Watanabe(JMPA)/ Asami Enomoto(JMPA)
posted2024/10/30 11:00
パリ五輪準々決勝、イタリアに逆転負けを喫した日本代表
ドイツ戦は初戦独特の緊張感はありながら、それを上回る高揚感があった。関田は「やってやろう、という気持ちは今までのどの試合よりもあった」という。だが、その出鼻をくじかれる。
第1セット、ドイツの39歳の主砲、ギョルギ・グロゼルのサーブで7連続失点。日本は2-9と大きなビハインドを背負い、「やってやろう」のマインドが一変した。
「絶対に勝たなきゃいけない、やらなきゃいけない、と。Aパスから攻撃するシチュエーションも少なかったので、もう少しリバウンドやプッシュを混ぜたりすればよかった。アタッカーも『決めなきゃいけない』と思ってしまって焦る。決まってほしいところが決まらずやり返される。難しいゲームでした」
象徴的だったのが石川だ。
主将でエース。打数も多く集まるだけでなく、ラリーが続いた状況や1点を争う勝負がかかった場面で確実に決める。これぞ石川、と唸らせる姿を何度も見せてきた。
エースの明らかな異変
たとえば昨秋のパリ五輪予選。3-0で勝利すれば出場が決定するスロベニア戦では、5点を先行された序盤に相手エースをブロック、中盤にはスパイクでの連続得点。求める勝利をつかみ取る原動力になっていたのは紛れもなく石川だった。
石川が決めればチームが乗る。関田もそう何度も口にし、実際に勝負所で上げてきた。「金メダル獲得」を目標に公言したパリ五輪でも、苦しい時こそ決めてくれるのが石川だ。誰もがそう信じていたが、ドイツ戦で山本は明らかな異変を感じていた。
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