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木村“フィリップ”ミノルの逮捕に思う「格闘技のイメージは過去最悪」なぜ醜聞があとを絶たないのか? しわ寄せは“大多数の真面目なファイター”に 

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布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

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photograph byRIZIN FF Susumu Nagao

posted2024/10/14 17:01

木村“フィリップ”ミノルの逮捕に思う「格闘技のイメージは過去最悪」なぜ醜聞があとを絶たないのか? しわ寄せは“大多数の真面目なファイター”に<Number Web> photograph by RIZIN FF Susumu Nagao

大会出場2日前に大麻取締法違反の疑いで逮捕された木村“フィリップ”ミノル。いま、多くのスキャンダルが格闘技界に悪影響を及ぼしている

しわ寄せは“大多数の真面目なファイター”に

 断わっておくが、いまだ大多数の格闘家はストイックだし、強くなることを最優先しながら日々の生活を送っている。RISEバンタム級現王者の大﨑孔稀は、前述した木村の逮捕を受けてSNSで以下のように呟いた。

「リングは神聖な場所。本物の格闘家しか上がってはいけない場所。どれだけ知名度があろうが、結果を出してきてようが、本物でなければ価値なし。これ以上、格闘技、格闘家が下がるようなニュースが出ない事を心の底から願います。」

 木村の逮捕のニュースが飛び交う前には、平本蓮のドーピング疑惑が世間を賑わした。考えてみれば、このところ耳目を引くのはマイナス方面のトピックばかりだ。選手たちも格闘技界を覆い尽くすどんよりとした空気を感じているのだろう。9月8日のRISEでは、白鳥大珠と那須川天心の弟・那須川龍心が「いま、格闘技界は暗いニュースが多い」と口を揃えたうえで、悪い流れを断ち切り、ポジティブな話題を振りまくことの大切さを訴えた。

 同業者のネガティブなニュースが流れるたびに、業界全体のイメージダウンは避けられない。結果的に、真面目にやっているファイターの足まで引っ張ってしまう。木村の逮捕や平本のドーピング疑惑によって「堕ちる」のは彼ら個人だけではないのだ。

 いま、この業界には非常ベルが鳴り響いている。筆者にはそう思えてならない。格闘技界に未来はあるのか。

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