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「私はウワサ話で人を評価しない」森保一監督が明かす真相…物議の“守田発言”のあと「守田英正と2人だけで話した」《最強日本代表のウラ側》 

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木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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photograph byKeiji Ishikawa

posted2024/10/17 11:25

「私はウワサ話で人を評価しない」森保一監督が明かす真相…物議の“守田発言”のあと「守田英正と2人だけで話した」《最強日本代表のウラ側》<Number Web> photograph by Keiji Ishikawa

NumberWebのインタビューに応じた森保一監督(56歳)

「いろいろ考えすぎて頭がパンクというか。正直、アドバイスとか、外からこうした方がいいとか、チームとしてこれを徹底しようとか、もっと提示して欲しい」

 イランのロングボール戦術に対応できなかったこともあり、批判としてネット上で拡散された。

 一般的な感覚で言えば、チームの危機である。

 ところが、森保監督は「そもそも問題として捉えていなかった」と振り返る。上に書いたように、報道だけで判断を下さないからだ。

「メディアで報じられた守田のコメントに関しては、批判的と受け取られる部分があったかもしれませんが、しゃべった中の一文を切り出された可能性もある。まずはコミュニケーションを取ろうと考えました」

 3月、日本代表は北朝鮮とW杯予選を戦うため、千葉に集合した。守田が到着すると、森保監督はすぐにホテルで面談の場を設定した。

「言葉の真意について聞きました。その上で批判ではないということがわかりました。純粋にチームを勝たせたい、日本をより高みに押し上げたいという気持ちからの発言だったんです。ただし、メディアのみなさんがどう取り上げるかは予想できたと思うので、言葉遣いなどは気をつけてもらいたいと伝えました。いずれにせよモリとしては純粋な思いからの言葉だったということです」

 これまでの連載で紹介してきたように、実は森保監督自身、マツダ入団後に社会人として鍛えられるまで「やんちゃ」に分類される選手だった。中学校の卒業式に金髪で現れ、高2のときにはサッカー部を2週間離れ、退部騒動になったこともあった。だからこそ選手たちに対して特別な包容力がある。

「モリをはじめ、みんなピュアですよ。サッカー小僧で、うまくなりたい、強くなりたい、勝ちたい、日本をレベルアップさせたい。そう強く思っている。そこは汲んであげたいと、いつも思っています」

守田はチームの前で謝った

 もちろんこれは選手に甘いということではない。

「いろいろ話をしたうえで、その本人が納得できないのであれば、申し訳ないですけど監督は私なので最終決定はします。チームの方針に納得できなければチームから離れてもらう。もし発言でチーム全体の空気感がおかしくなったと思ったら、その選手には外れてもらいます」

 森保監督の思いは確実に届いた。3月の活動における最初のチームミーティングで、守田は前に進み出て謝った。

【次ページ】 守田はチームの前で謝った

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