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高校で全国3冠→学生陸上界からドロップアウト…“元・天才少女”石塚晴子(27歳)が若い選手に伝えたいこと「自分のゴールをどこに置くかが大事」
posted2024/10/13 11:03
text by
荘司結有Yu Shoji
photograph by
(L)Shigeki Yamamoto、(R)AFLO
2019年秋、石塚がTwitter(現X)に投稿した自作の漫画が話題を呼んだ。
タイトルは「10年続けて仕事にもなった陸上を辞めてOLになろうとした話」。漫画は、陸上選手であることを話すと、周囲から言われる「じゃあオリンピックを目指しているんですね」という声への戸惑いから始まる。
大学に進学した石塚は、自身の置かれた環境に違和感を抱き、1年の冬に休学したのち退学。その後、ローソンに所属して時短勤務で競技を続けたものの、練習内容や体重管理など悩みは尽きなかった。
心の中にある「目標・動機の箱」を整理してみると?
なかなか結果が残せず、東京五輪の予定が翌年に差し迫る2019年、「オリンピックを目指す」という目標の動機について改めて考えた。
「シンプルな動機って何?」「私を突き動かしているものは?」
心の中にある“目標・動機の箱”を整理していくと……そこには何も無かったのだという。「結果を出したい」というモチベーションの一方で、「自分はどうなりたいのか」という軸がはっきりしていなかったのだ。
そうして、石塚は陸上を始めてから10年間で初めて「休養」という選択を取ることになる――という実話をもとにしたエピソードだ。
振り返れば、この“箱”の中には「インターハイ優勝」という強い目標が入っていた時期もあった。高校2年時に400m3位、400mHと800mで2位、4×400mリレーを優勝して敬愛の総合優勝に貢献。そして翌年、400mを高校歴代4位の53秒30、400mHを高校新の57秒09で制し、4×400mリレーと合わせて3冠を果たした。