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「日本で稼げる時代に…」井上尚弥“ラスベガス再戦”は実現する? 92歳名物プロモーターが豪語する“2万人プラン”「オオタニのドジャースを見てみろ」
posted2024/10/03 11:04
text by
杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph by
Hiroaki Yamaguchi
“モンスターがラスベガスに再進出へ”――。
9月3日、日本で行われたTJ・ドヘニー(アイルランド)との防衛戦に前後し、井上尚弥の周囲で流れたそんなニュースに胸をときめかせたスポーツファンは多かったのではないか。大方の予想通り、井上がドヘニーを7回TKOで下した試合後、井上のアメリカでのプロモーターでもあるトップランク社のプロモーター、ボブ・アラムは「来年、ラスベガスで大きな試合を組みたい」というドリームシナリオを改めて披露したのだった。
あれから1カ月弱。プランは進行中のようである。ニューヨークのマディソン・スクウェア・ガーデン・シアター(通称フールーシアター)で9月27日に挙行された興行の際も、92歳の老プロモーターの鼻息の荒さは変わらなかった。
「今でも計画中だよ。ミスター大橋(大橋秀行会長)、MGMの幹部と日程については話し合わなければいけないが、おそらく来年4月になるのだろう。会場は約2万人を収容するT-モバイルアリーナを考えている。対戦相手? 名前が知られていて、興味深い相手のチョイスはたくさんある。特にメキシコ人選手である必要はない。最高の相手を選べればいい。まだ時間はある」
「ラスベガス帰還はビッグイベントになる」
井上は2017年にカリフォルニアで1戦、2020~21年にラスベガスで2戦を行なっている。当時はまだ一般的な知名度が高いとはいえず、コロナ禍もあってアメリカでもそれほど大きな話題にはならなかった。しかし、近年はESPNのストリーミングサービスによってほぼ全試合がアメリカで生配信されている背景もあり、“世界最高級のボクサー”としての知名度、評価は大きく高まっている印象がある。
「井上のラスベガスへの帰還はアメリカのハードコアなボクシングファンと関係者の間でビッグイベントになる。若いコンテンツクリエイター、より経験豊富な記者など、多くのメディアが取材に訪れるはずだ。また、ギャンブルが好きな日本のVIPをラスベガスに惹きつける理由になるだろうし、日本から観戦に訪れる熱心なファンも少なからずいるのではないか」
“モンスター”の実力を早くから認めていたリングマガジンのダグラス・フィッシャー編集長もそう述べ、井上を再び現地取材できる機会を楽しみにしているようだった。