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「コンパクトにブォーン」大谷翔平が明かしていた理想のスイング「僕、野球盤をイメージしているんです。ああやって打てればいいのにって…」
text by
石田雄太Yuta Ishida
photograph byNanae Suzuki
posted2024/09/30 17:26
メジャー史上初の「50-50」を達成した大谷翔平。ドジャースは地区優勝も決め自身初のポストシーズンに挑む
「(飛距離へのこだわりは)もちろん、あります。それはもっとも大事なことだと思っています。子どもはそこだけを目指して打ってもいいくらいでしょう。遠くへ飛ばすのは僕も楽しいし、見ているほうも、どこまで飛んだのかなって眺めるのは楽しいじゃないですか」
そして47号は9月11日、カブスのサウスポー、ジョーダン・ウィックスが投じたやや内側のスライダーを、低い弾道のライナーで右中間スタンドへと突き刺した。あんな低いライナー性の打球がスタンドに突き刺さるのは、大谷が思い描く理想のスイングができているからだ。それが「コンパクトにブォーン」(大谷)とスイングすることだった。そのスイングを大谷はこんなふうに説明する。
野球盤をイメージしたスイング
「僕、野球盤をイメージしているんです。止まっているバットをポンって動かすでしょ。ああやって打てればいいのにって……構えて、そのままバットをポンと出すだけでホームランを打てたら一番いい。その小さな動き、短い距離の中で95マイルのまっすぐ、70マイルの変化球に対応するのは難しいんです。僕には煽ってしまうクセがあって、振り幅が大きくなるとそれが出てしまう。そのほうが遠くへ飛ぶんですけど、150kmを超えるボールに対して高い精度で振れるかというと、どうしても軌道がズレてバットがボールの下に入ってしまいます。でもあえてそこを求めながら(笑)、同時に精度も上げていきたいんです」
大谷の逆算によれば、野球盤のバットのように打つためには、小さな動きの中で大きな力を伝えるフィジカルが必要になる。だから身体を大きくして、その強いフィジカルを野球の技術に落とし込むための動きを突き詰めた。そして、「コンパクトにブォーン」というスイングを追い求めてきたのだ。開幕前、大谷は言っていた。
<前編も公開中>
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