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【50-50達成】「大谷がもうひとり増えた」大谷翔平が次々と空けていく“引き出し”の中身《エンゼルス時代に語っていた盗塁の「意義」とは?》
ドジャースタジアムはロサンゼルスのダウンタウンの北、小高い丘の上にある摺鉢状の球場だ。ネット裏の入口から入るとそこは『トップ・デッキ』と呼ばれる9階にあたり、球場の最上階となる。つまり球場のゲートをくぐった直後、歩みを進めるとフィールドが眼下に広がる。
9月6日からのドジャースの6試合を、チケットを買ってこの『トップ・デッキ』の座席から観た。選手たちが豆粒のように小さく見えるのは確かなのだが、野球を真上から見下ろすのは新鮮でもある。守っているすべての選手を一望することができるし、打球の軌道も線で追うことができる。もちろんランナーの動きもよくわかる。
その間、大谷翔平は3本のホームランを打った。45号のホームランはセンターの左へ飛び込み、46号はライトのポールを巻いてファウルゾーンにある看板を直撃した。47号は右中間への弾丸ライナー――これらのホームランはいずれも眼下で舞った。『トップ・デッキ』からは、ホームランが眼下で弧を描く。大谷のホームランを見下ろす風景もまた、新鮮だった。
ドジャースに移って1年目の大谷のバッティングを見ていると、彼がホームランの打ち方をいくつも持っていることに改めて驚かされる。眼下に目撃した3本もすべて打ち方の違う、味わいの異なるホームランだった。この3本のホームランから、メジャーで大谷が作り上げてきた「バッティングの幹」(大谷)が見えてくる。
9月6日、ガーディアンズとの試合で左腕のマット・ボイドから打った45号は、やや内寄りの高めに来たツーシームをきっちりと身体の近くまで引きつけて捉えた。一見、上がりすぎた打球がセンター方向へ飛んでホームランになるのは、大谷がメジャーで目指してきた理想のバッティングだ。その原点はエンゼルスで出逢ったマイク・トラウトのバッティングにある。大谷の言葉を遡ってみよう。
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