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「トラウト選手、本当に凄いんですよ」大谷翔平が語っていたバッティングの原点「僕ができてないことで彼ができちゃっていることがいっぱいある」 

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石田雄太

石田雄太Yuta Ishida

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photograph byNanae Suzuki

posted2024/09/30 17:25

「トラウト選手、本当に凄いんですよ」大谷翔平が語っていたバッティングの原点「僕ができてないことで彼ができちゃっていることがいっぱいある」<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

メジャー史上初の「50-50」を達成した大谷翔平。ドジャースは地区優勝も決め自身初のポストシーズンに挑む

 9月6日、ガーディアンズとの試合で左腕のマット・ボイドから打った45号は、やや内寄りの高めに来たツーシームをきっちりと身体の近くまで引きつけて捉えた。一見、上がりすぎた打球がセンター方向へ飛んでホームランになるのは、大谷がメジャーで目指してきた理想のバッティングだ。その原点はエンゼルスで出逢ったマイク・トラウトのバッティングにある。大谷の言葉を遡ってみよう。

「トラウト選手、本当に凄いんですよ。見ていたらわかりますよね。打球も凄いし、僕ができてないことで彼にできちゃってることがいっぱいあり過ぎる。一番は自分のゾーンをしっかり持っているということです。もともと打てる範囲が他の選手よりも広いんですけど、それをそれ以上に広げない。無理に追い掛けないんです」

完成形をイメージして、逆算しながら…

 ボールを振らない、ストライクだけを振る。それができるのは始動を遅らせてギリギリまでボールを見ているからだ。そして始動を遅くできるのは、振り出しでムダな動きをしなくてもバットを強く振れるだけのフィジカルと技術があるからで、大谷はそんなスイングを目指した。完成形をイメージして、逆算しながら必要なことを少しずつ積み重ねてきたのである。

「メジャーのピッチャーは動きが小さくて、それでも出力は大きく、ボールも速いとなれば差し込まれるケースが増えてきます。だからバッティングに関しても出力を大きく保ったまま、いかに動きを小さくするかということがカギになってきます。速いだけじゃなく、大きく動くボールを身体の近くまで見ることができて、そこからバットを振り出してもボールに負けずに振れるなら、ボール球を振らずに済みます」

<続く>

【続きを読む】サブスク「NumberPREMIER」内の【50-50達成】「大谷がもうひとり増えた」大谷翔平が次々と空けていく“引き出し”の中身《エンゼルス時代に語っていた盗塁の「意義」とは?》、こちらの記事の全文をお読みいただけます。

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