酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
「異常な低レベル」セ打点・盗塁王争いだけでない“悩める成績”…阪神・佐藤輝明の守備率「.9181」岡田監督がサード固定以外に取れる対策は?
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byJIJI PRESS
posted2024/09/17 17:03
三塁守備率が取りざたされている佐藤輝明。チーム2位タイの14本塁打を放つスラッガーだけに外すのも難しいが……。
近本の18が当確…セ盗塁王争いも過去ワーストか
MLBでは大谷翔平の50-50(50本塁打50盗塁)が大いに話題になっている。NPBではパ・リーグ6球団はチーム全体ですべて50盗塁以上だが、セ・リーグでは中日が37、阪神が36盗塁にとどまっている。
以下、過去の低レベルだった盗塁王を並べる。カッコ内は盗塁数を、この年の公式戦の試合数で割ったもの。
〈2021年パ〉
荻野貴司(ロ)24盗/143試(0.17)
西川遥輝(日)24盗/143試(0.17)
源田壮亮(西)24盗/143試(0.17)
和田康士朗(ロ)24盗/143試(0.17)
〈1993年セ〉
緒方耕一(巨)24盗/131試(0.18)
石井琢朗(横)24盗/131試(0.18)
〈2002年セ〉
赤星憲広(神)26盗/140試(0.19)
〈1962年セ〉
河野旭輝(中)26盗/133試(0.19)
〈2011年セ〉
藤村大介(巨)28盗/144試(0.19)
〈2023年セ〉
近本光司(神)28盗/143試(0.20)
低次元の数字は近年の盗塁王が多い。セイバーメトリクスがNPBでも理解されるとともに「盗塁成功率が低い選手が走るのはチームにはマイナス」という意識が高まり、盗塁を自重する傾向が強くなった。しかしそうはいっても、盗塁は俊足の選手にとっては強力な武器のはずなのだが――。
以下、今年の両リーグ盗塁王。
セ・近本光司(神)18盗/133試(0.14)
パ・周東佑京(SB)38盗/129試(0.30)
近本はセ・リーグでは屈指の走り屋ではあるが、まだ20盗塁に到達していない。9盗塁死で成功率は.667と成功率も高くないが、2位の広島・小園海斗がまだ12盗塁なので近本のキャリア6年目で5回目の盗塁王は当確だ。そして史上最低の盗塁数でのタイトルも確実か。
MLBでは大谷だけでなく「盗塁の魅力」が再発見されている。セ・リーグでも盗塁をもっと見直すべきではないか。
佐藤輝明の三塁守備率…近年のワーストは.924だが
これはNPBやリーグの問題ではないが、阪神、佐藤輝明の守備がかなりの話題になっている。実は「守備率」が歴史的な数字になりつつある。