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鹿島アントラーズと共に歩んで30年。ファンのことを第一に考えるLIXILの新たなスポンサーシップのかたち

posted2024/09/26 11:00

 
鹿島アントラーズと共に歩んで30年。ファンのことを第一に考えるLIXILの新たなスポンサーシップのかたち<Number Web> photograph by KASHIMA ANTLERS

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福田剛

福田剛Tsuyoshi Fukuda

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KASHIMA ANTLERS

Jリーグ黎明期から鹿島アントラーズをサポートしてきたLIXIL。チーム、そしてサポーターと共に成長してきたLIXILの取り組みは、パートナー企業の在り方を考える上で貴重なロールモデルとなるはずだ。

 推しつづけて、30年。

 株式会社LIXILが鹿島アントラーズの協賛をスタートさせたのは、Jリーグ発足2年目の1994年にまで遡る。LIXILブランドマーケティング室でアントラーズを担当する庭野洋美は、当時の様子をこう振り返る。

「LIXILは2011年に建材・設備機器メーカーのトステム、INAX、新日軽、サンウエーブ工業、東洋エクステリアの5社の統合により誕生しました。LIXILが誕生するまでの17年間は、トステムとしてアントラーズをサポートしてきました。当時、茨城県内にはトステムの工場があり、大勢の社員がこの地域で暮らしていたこともあり、Jリーグとアントラーズの地域密着の理念に共感し、お付き合いがスタートしました」

 翌'95年からはユニフォームの胸スポンサーとなり、'96年のJリーグ初制覇から始まる20冠の道のりを共に歩んできた。

チャリティーイベントから生まれた新たな絆

 30年に及ぶ長い歴史の中で、庭野が最も印象に残っているのが、2011年6月にLIXILとアントラーズが共同で開催したチャリティーイベントだ。

 ユニフォームのロゴが「TOSTEM」から「LIXIL」へと変わった2011シーズン。3月11日に発生した東日本大震災は茨城県内にも大きな被害を与えた。

「カシマスタジアムも大きなダメージを受け約3カ月間、試合ができない状態が続きました。スポーツをやっている場合じゃないという空気が蔓延する中、それでも、被災された方々を励まし、笑顔を取り戻すために何かできることはないかとアントラーズとLIXILで話し合い、実現したのが「『震災復興チャリティーイベント SMILE AGAIN』です」

 改修を終えたカシマスタジアムのピッチに登場したのは、ジーコ率いるアントラーズのレジェンドとJリーグの各チームから集まったレジェンドたち。そしてコンコースでは、小笠原満男や中田浩二、柴崎岳など現役の選手が募金を呼びかけ、スタジアムに集まった約2万3000人の観客、茨城県で暮らす多くの人々を元気づけた。

「企画を進める中で他のチームスポンサーさんにもお声がけをしたところ、すぐに賛同してくれたお陰で、当初想定していたよりも大規模なイベントを実現できました。スタジアムに足を運んでくれたファンも一緒に頑張っていこうという我々からのメッセージを受け取ってくれたと思います。改めてスポーツが持っている力を感じると共に企業がチームをサポートすることの意義を考えるきっかけにもなりました」

ファンの喜びが、パートナー企業にとっての喜び

 今やLIXILは単なるスポンサーではなくアントラーズファミリーの一員として広くサポーターに認知されている。今年6月に国立競技場で行われた横浜F・マリノス戦では、協賛30周年記念『アントラーズ推し活うちわ』プレゼントを実施。配布したうちわは5000枚を超えた。

【次ページ】 これからもファンと歩み続ける。サポートは女子プロゴルフ、Bリーグ、eスポーツへと拡大

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