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成績的に“不作の新人王争い2024”巨人・船迫大雅が安定も「該当者なし」あり得る? セパとも打者伸び悩み、候補は金村尚真、武内夏暉と…
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byNanae Suzuki
posted2024/09/10 06:00
巨人の安定したリリーフ陣の一角を担う船迫大雅。セ新人王争い有力候補となっている
DeNAの石田は昨年のドラフト5位で中央大から入団。6月に昇格し、16日の西武戦で95球で完封。新人ながら「マダックス」を記録した。以後飛び飛びながら一軍で先発していたが、8月17日以降、先発3試合連続で4回未満で降板し、成績を落としている。同じく中川はオリックスを戦力外となりDeNAに移籍。打撃力もあるアンダースローで注目されたものの、成績は伸び悩んだ。
広島の黒原は2021年のドラフト1位。中継ぎで起用されているが、次第に勝ちゲームで投げるようになっている。
この中で見るべきは、巨人の船迫(ふなばさま)だろう。2022年ドラフト5位で西濃運輸から巨人に入団。昨季も3勝1敗8ホールドを記録したが、投球回数は30回ちょうど。新人王資格をぎりぎり残して今季を迎えた。勝ち試合で投げることが多く、リーグ9位タイの20ホールドを記録している。
セ・リーグではこの船迫が有力か。過去にも中継ぎ投手が新人王になったケースはあるが、2022年パの新人王、西武の水上由伸は31ホールド。2020年の平良海馬は33ホールドであり、20ホールドはかなり少ない印象だ。
新人王は記者投票で決まるが、今季は2000年のパ・リーグ以来の「新人王該当者なし」になる可能性もあるだろう。セでは1975年以来49年ぶりとなる。
パ打者:2ケタ安打を放ったのは8人だけ
〈パ・リーグの新人王有資格の打者〉
山村崇嘉(西)58試201打44安2本23点1盗 率.219
大里昂生(オ)39試126打28安2本7点2盗 率.222
川村友斗(SB)79試105打26安0本9点3盗 率.248
中島大輔(楽)31試102打25安1本10点1盗 率.245
廣瀨隆太(SB)35試103打24安2本9点0盗 率.233
海野隆司(SB)46試96打15安2本7点0盗 率.156
上田希由翔(ロ)21試58打15安0本7点0盗 率.259
奥村光一(西)39試75打14安0本3点2盗 率.187
横山聖哉(オ)10試35打6安0本0点0盗 率.171
石塚綜一郎(SB)11試23打5安1本5点0盗 率.217
パも規定打席に到達した選手はいない。2ケタ安打を打った打者も8人だけ。
安打数最多の西武・山村は東海大相模から2020年3位で西武に入団。昨季、4試合だけ一軍に出場。今季は4月に昇格したが6試合で降格、次に上がったのは6月25日だが打撃好調。チームが不振にあえぐ中、7月15日からは4番に抜擢され32試合で中軸を打った。しかし成績は次第に下落し、9月3日に登録抹消となっている。
本塁打は山村、オリックスの大里、ソフトバンクの廣瀬と海野の2本。レギュラーに定着した選手はいない。