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成績的に“不作の新人王争い2024”巨人・船迫大雅が安定も「該当者なし」あり得る? セパとも打者伸び悩み、候補は金村尚真、武内夏暉と…
posted2024/09/10 06:00
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Nanae Suzuki
NPBが開幕して約2カ月の6月に一度「新人王予想」をした。残り試合があと20試合ほどとなった現時点でもう一度、新人王について書いておきたい。
率直に言って、2024年は近年になく「不作」だった。なお新人王有資格者は、以下の条件となっている。
・海外のプロ野球リーグに参加した経験がない、支配下に初登録されてから5年以内
・投手:前年までの一軍登板回数が30以内
・打者:前年までの一軍での打席数が60以内
セ打者:開幕スタメン度会・田中らは定位置定着ならず
〈セ・リーグの新人王有資格の打者〉※安打数10傑。打は打数。以下すべて9月8日終了時点
田中幹也(中)107試301打66安2本22点4盗 率.219
度会隆輝(De)72試248打64安3本24点2盗 率.258
泉口友汰(巨)64試161打33安1本9点1盗 率.205
佐々木俊輔(巨)58試139打31安0本5点2盗 率.223
萩尾匡也(巨)51試142打30安2本12点0盗 率.211
岩田幸宏(ヤ)63試100打19安1本4点7盗 率.190
浅野翔吾(巨)22試80打19安3本12点1盗 率.238
二俣翔一(広)66試81打15安1本6点1盗 率.185
赤羽由紘(ヤ)36試58打14安2本6点4盗 率.241
石上泰輝(De)26試71打13安0本3点2盗 率.183
6月に紹介した時と、顔ぶれがほとんど変わっていない。
安打数は中日の田中幹也が66安打でトップ。亜細亜大から2023年ドラフト6位で入団した内野手で、1年目は右肩脱臼で働けず、今季は2番二塁で開幕スタメンを勝ち取った。しかし9月5日に二軍落ちしている。
度会隆輝は昨年のドラフト1位。父はヤクルトの内野手で、3球団の指名からDeNAが引き当てた。リードオフマンとして華々しくデビューし、オールスターにもプラスワン投票で選出されたが、それ以降はスタメンから外れることが多くなり、8月12日に登録抹消されている。この2人でも規定打席には程遠い。
それ以下の選手は巨人の浅野がヘルナンデスの負傷を受けて以降、先発で起用されて満塁ホームランを放っていたりはするが、成績的には見るべきものがない印象だ。
セ投手:規定投球回到達はなし。黒原と船迫が安定
〈セ・リーグの新人王有資格の投手〉※投球回数10傑
石田裕太郎(De)10登4勝2敗0S0H 50回 率3.60
中川颯(De)19登3勝0敗0S2H 48.1回 率4.84
黒原拓未(広)42登4勝2敗0S2H 47.2回 率1.89
船迫大雅(巨)44登4勝0敗0S20H 33.1回 率1.89
岡留英貴(神)30登1勝0敗0S4H 32.2回 率3.03
山野太一(ヤ)10登1勝3敗0S0H 30.1回 率7.42
松木平優太(中)5登1勝2敗0S0H 30回 率3.90
徳山壮磨(De)29登1勝1敗0S8H 29.1回 率2.45
西舘勇陽(巨)27登1勝3敗1S19H 27.2回 率4.23
富田蓮(神)27登0勝1敗0S3H 28.2回 率0.63
セの新人王有資格の投手の成績もパッとしない。勝利数は4勝が最多。その上、こちらも規定投球回数には程遠い。