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「お父さんの助言だけじゃない」なでしこ“魔法の30m弾”全真相…19歳谷川萌々子の証言でわかった“異次元すぎ視野”「パスがズレた瞬間に」
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph byTakuya Kaneko/JMPA
posted2024/09/01 11:06
NumberWebの単独インタビューに応じてくれた谷川萌々子。彼女に“あの30mスーパーゴールの真相”とキャリアについて聞いた
「ああいう場面を作れたのも、本当に両親の支えがあったからだと思っています。 その両親が現地で応援してくれていたのは、自分の中での一番のモチベーションでしたし、その前で何か恩返しとして、プレーで見せたいっていう思いがあったので。だからゴールを決めた後も一番に両親の方に走りに行っちゃいましたからね(笑)」
その無邪気な様子は、19歳のティーンエージャーらしい素顔が出た瞬間でもあった。
小学校時代からのエピソードについて聞いてみると
そもそも、負けると決勝トーナメント進出に暗雲がかかる中、1点ビハインドの後半35分という逆境での投入である。緊張しない方がおかしくない中で……。
「私自身ピッチに入るのが楽しみでしたし、『自分がこの流れを変えてやる』という思いを持ってピッチに入りました」
谷川に臆するところはまったくなかったというのだから、驚きである。
10代離れした冷静さと度胸を持ちつつ、テクニックやフィジカルでもスケールの大きさも感じさせる。ブラジル戦で輝いた谷川の判断力とサッカースキルはどのようにして育まれてきたのか。
「小学生時代に〈グランパスのチームで、男子と一緒にプレーする中でキャプテンを任された〉って、ホントですか?」
サッカーファン内で有名になりつつあるエピソードについて、聞いてみる。すると谷川は7年前の記憶を懐かしそうに思い出す。
「はい、そうなんです。あの時に教えてもらったことは……」<つづく>