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WWE挑戦のジュリア「マリーゴールドに来て本当によかった」“感動のラストマッチ”で何を残したのか?「根っこにあるのは日本の女子プロレス」 

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原悦生

原悦生Essei Hara

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posted2024/08/29 17:01

WWE挑戦のジュリア「マリーゴールドに来て本当によかった」“感動のラストマッチ”で何を残したのか?「根っこにあるのは日本の女子プロレス」<Number Web> photograph by Essei Hara

マリーゴールドの選手たちによる胴上げでWWEに送り出されたジュリア。8月25日、新木場1stRING

「マリーゴールドに来て本当によかった」

 正真正銘のラストマッチを終えると、ジュリアは「わがままばかり言ってきて、やってきたが、それがジュリアだ」と語気を強めた。

「どこにいても、しがみついて、世界のベルト取ってきます。そして日本の女子プロレスを盛り上げたい」

 マイクから思いがあふれていた。

「プロレス始めて7年間。こういうことは想像していなかったけれど、あきらめないでよかった。大切な人、大好きな人、仲間たち、大っ嫌いな人たち、全部ひっくるめて今日やってよかったなと思っている。誰に何を言われようと私は後悔しない。そういう生き方をしているから。ついに、この日が来てしまいました」

 ジュリアは林下詩美を呼んだ。

「マリーゴールド旗揚げする時、詩美がいてよかったと本当に思った。あんたはもっと気合入れなおせ。あんたが頑張らなくちゃいけない。クールで美しい……いや、クールじゃなくて、ホットな女になってくれよ。後輩たちに格好いい背中見せてやれよ。詩美、頼むよ」

 これに林下が応じた。

「ジュリア、お前がいなくなったらって、不安な日が多かったけど、そんなんじゃダメだよな。林下詩美も熱くて、格好よくて、すごいってところを、海渡ってアメリカにいるお前に届けてやるから。いつかまたリングで会う時は今の林下詩美じゃない。もっと進化した熱い林下詩美になっているから。ジュリアも私たちマリーゴールドを見守っていてくれよ」

 ジュリアはあらためて感謝を口にした。

「人生で一度、経験できるかできないかの団体の旗揚げに携われて、マリーゴールドに来て本当によかった。こんなに宝物を与えてもらっていいんでしょうか。みんなありがとうございました。いろんな認められないようなことも、たくさんしてきたかもしれないけれど……。みんなの応援で新しい夢にチャレンジできる。根っこにあるのは日本、日本の女子プロレス。だから、どこに行ってもみんなとつながっている。海の向こうに行っても頑張ってくる。アリベデルチ、またな」

 アメリカでの挑戦は、決して容易い道ではないだろう。だからこそ、ジュリアには「幸運」という言葉を贈りたい。

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