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バスケットボールPRESSBACK NUMBER
「日本に来てから3年半で人生が変わった」20歳ジェイコブス晶が語る“日本バスケを背負う覚悟”「ロス五輪までにNBA」「勇輝はかっこいい」
text by
杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph byUSA TODAY Sports/Reuters/AFLO
posted2024/08/27 11:03
パリ五輪・フランスとの激闘を終えた河村勇輝(左)を労うジェイコブス晶
パリ五輪、それに至るまでの合宿を通じて毎日、NBA選手とマッチアップしました。強化試合、本番の大会でも対峙したのはNBAプレイヤーたち。各国の代表でプレーするのはNBAの中でもスターばかりで、五輪に出られたおかげで、そんなレベルでも僕もやっていけるという気持ちが強くなってきています。
パリ五輪の選手村には世界中のアスリートが集まっていたので、スーパースターにも実際に触れ合えたのがよかったですね。朝起きて、エレベーターに乗ったらそこにはニコラ・ヨキッチやヤニス・アデトクンボがいたり。ロビーに行ったらヤオ・ミンがいたり。ヨキッチとも少し話して、「人間なんだな」と思ったりしました(笑)。
ずっとテレビで見ているスーパースターって人間じゃないかのように思えてくるじゃないですか。でも実際はみんながバスケが上手いだけの普通の人で、意外に通常の人生を歩んでいるんです。そういうのがわかっただけでも大きかったですね。
ヨキッチやヤニスと写真を撮ったか? いえ、撮ってないです。五輪で同じ競技をプレーしていたわけで、そこで一緒に写真撮影なんかしてもらったら僕の方が下に見えてしまうと思ったんで(笑)。ただ、こうやってスーパースターに会えたり、NBAグローバルアカデミー時代に対面してもらったことがあった渡邊雄太さんや馬場雄大さんともチームメイトになったり……。パリ五輪という舞台は、“本当に短い間に僕の人生は大きく変わったんだな”と改めて実感する機会にもなりました。
刺激を受ける河村と富永の存在
僕が挑みたいと思っているNBAに今夏、日本代表でチームメイトだった河村勇輝、富永啓生が挑戦しようとしています。彼らとは年齢も近いですし、刺激は受けていますよ。富永は今の僕が所属しているNCAAディビジョン1のネブラスカ大というメジャーカンファレンスチームで大活躍し、インディアナ・ペイサーズとのエグジビット10契約につなげました。勇輝は僕と同じ横浜ビー・コルセアーズでプレーし、W杯、五輪で力を見せることでメンフィス・グリズリーズのトレーニングキャンプ参加への道を開きました。
NCAAディビジョン1、あるいはコルセアーズという僕がいたのと同じ場所で活躍した2人が、今ではNBAを目指す位置まで到達したことになります。素直に嬉しいし、応援しています。それと同時に、バスケットボール選手には周囲に負けたくないという気持ちは誰でもあるもので、僕も続かなければいけないという思いにさせられます。