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「実はチェコじゃなかった」女子やり投げ金・北口榛花(26歳)原点の国外遠征…高校時代から強かった“海外志向”きっかけは「北欧の投擲王国」
posted2024/08/16 17:00
text by
和田悟志Satoshi Wada
photograph by
Ryosuke Menju/JMPA
今夏のパリ五輪で、日本勢は金メダル20個、総数45個のメダルを獲得。いずれも海外で開催された五輪では過去最多だった。そのうちの1つが陸上・女子やり投の北口榛花(JAL)の金メダルだ。
陸上競技では、マラソン以外の種目で初めて日本人女子選手が獲得した金メダルだった。
パリ五輪は8月11日に閉幕。その熱狂も冷めやらぬうちに日本選手団は帰国し、14日には解団式が行われた。しかしながら、そこに快挙を成し遂げた北口の姿はなかった。
「日本に帰るのはまだ先になります。もう3試合ほどヨーロッパで出る予定です。引き続きご声援よろしくお願いします」
北口が13日に投稿したXには、応援してくれた人たちへの感謝の言葉や金メダルを獲得した感慨が綴られていたが、“P.s.”としてこんなことが記されていた。
8月、9月のダイヤモンドリーグなどヨーロッパの試合に出場する予定で、パリでの戦いを終えた北口は、日本には帰国せず、活動拠点としているチェコ・ドマジュリツェに戻った。ドイツとの国境に近い小さな町に凱旋した北口は、地元市民から熱烈な歓迎を受けたという。
5年前からチェコを拠点にトレーニング
様々な報道で周知の方も多いと思うが、北口は日本大学在学時の2019年からチェコでトレーニングをしている。
チェコ人コーチのデービッド・セケラック氏の指導を受けると、その年に当時の日本記録となる66m00をマークしている。
現在のやり投の世界記録は男子のヤン・ゼレズニー、女子のバルボラ・シュポタコバと、男女ともにチェコ人が持っている。ゼレズニーが1996年にマークした記録(98m48)は、28年たった今も破られずにいる。
そんなやり投大国で北口は飛躍を遂げたというわけだ。
しかしながら、北口の初めての海外遠征は、チェコではなく他の国だった。