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熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
パリ五輪開会式「意外な日本人選手」がブラジルで“セリーヌ・ディオン級に好感度アップ”なワケ…ジーコ71歳は「3250万円分盗まれた」大災難
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byHandout/Getty Images
posted2024/08/16 06:00
パリ五輪開会式で熱唱するセリーヌ・ディオン。彼女と同じくらいブラジルで注目された日本人アスリートって、誰?
(5)に関しては、ブラジルは世界最大のカトリック信者を有する国であり、性的指向に関しては保守的な傾向が強かった。しかし、近年は多様な性的指向を認める考え方が強まっており、概ね好意的な評価だった。(6)については、「フランス以外の国からもスーパースターを呼び、世界中のスポーツファンを楽しませた」と評価された。
セリーヌ・ディオンの歌唱は賞賛の一方で…
最大の賞賛を集めたのは、長大なセレモニーを締めくくったセリーヌ・ディオンのパフォーマンスだ。
テレビの女性アナウンサーは「療養中、セリーヌは『できれば自分の足で立って、でもそれが無理なら椅子に座って、あるいはそれすらも無理なら這ってでもステージに復帰したい』と語っていた。そして、今日、彼女は自分の足で立ち、見事な復活を遂げた」と感動の面持ちでコメントした。
ただし、批判を浴びた場面もあった。
ドラッグクイーンたちがレオナルド・ダ・ヴィンチの名画「最後の晩餐」のパロディとして登場した演出について、保守派の政治家や熱心なカトリック信者たちから「イエス・キリストを冒涜している」、「神様を弄ぶのは許せない」といった厳しい声が上がった。
ともあれ、有力日刊紙『オ・グローボ』が「フランスの豊かな歴史、伝統、文化を踏まえ、そこに近代性を付け加え、さらに人種、国籍、性的指向などの多様性を認めよう、という強いメッセージが感じられて素晴らしかった」、「過去の五輪の開会式の中でも出色の内容だった」と称賛したように、ブラジルメディアの多くは高い評価を与えた。
パリ五輪に出場するブラジル人選手団は274人だが、実際に開会式に参加したのは50人。旗手の1人を務めた女子ラグビーのラケル・コシャン(31)は、乳がんを克服して自身3度目の五輪出場を達成した。「本当に素晴らしいセレモニーで、心から感動した。自分のこれまでの苦労を思い出して、感無量です」と感激していた。
ただし、式典の終盤に豪雨が降ると、体調を崩すことを懸念して選手たちの多くが宿舎へ引き揚げたと報じられた。
サーフィン五十嵐カノアがブラジルで好感度↑のワケ
なお式典後、ブラジルのYouTubeの中継に1人の日本人選手が登場した。
タヒチ開催のサーフィン競技に参加した五十嵐カノアである。