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「橋本大輝が人差し指を口に…」「笑顔だったアメリカ代表」実は萱和磨&谷川航のコーチ経験も…“体操のお兄さん”福尾誠が見たパリ五輪「名場面」
posted2024/08/01 11:36
text by
福尾誠Maokoto Fukuo
photograph by
Naoya Sanuki/JMPA
60年以上続く人気番組NHKEテレ『おかあさんといっしょ』で第12代「体操のお兄さん」を務めたのが「誠お兄さん」こと福尾誠だ。2019年に番組に抜擢されると、昨年引退するまで親しみやすいキャラクターで人気を集めた。そんな福尾だが実は幼少期から体操競技をはじめ、インターハイの個人総合で準優勝、順大時代は五輪出場を目指すなど日本トップクラスの選手だった過去がある。大学院時代には金メダルメンバーの萱和磨、谷川航のコーチも務めた経験を持つ「お兄さん」がパリ五輪でライバル国を見て感じたこととは?《全2回の2回目/1回目を読む》
印象に残ったアメリカチームの「笑顔」
今回の団体決勝で日本以外に強く印象に残ったひとつが銅メダルを獲得したアメリカチームでした。
とにかく終始、チーム全体が楽しそうで、選手が楽しんで体操をしていました。笑顔があふれていましたね。
どうしてもメダルや優勝争いとなると、関係者の期待はもちろん、各国の期待を背負っていたり、プレッシャーがあったり、いろんな背景がある中で戦っていると思うんです。でも、その中でああいう雰囲気で演技できるのは素晴らしかったと思います。今回、アメリカチームが優勝を目指していたのか、メダルを目指していたのか、どの結果を目指してこの五輪に臨んでいたのかはわからないですけど、すごく魅力的に映りました。
しかもその中でしっかり実力も見せてくれた。
日本・中国に次ぐ3位という結果はもちろん、例えばあん馬に出場した(スティーブン・)ネドロシク選手はその1種目だけの出場で、しかも演技順が6種目目の最後というローテーションでした。試合がはじまって約2時間半以上たって、初めて来た自分の演技を完璧に決めていた。もちろん多くの種目に出場する選手が凄いのは当然ですが、ネドロシク選手の1本に懸ける集中力は衝撃的でしたね。