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パリ五輪“あの開会式”のウラで観光客が悲鳴「家族連れが警察官に追い返され…」セーヌ川付近はゴーストタウン化「市民は“パリ脱出計画”も」 

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齋藤裕

齋藤裕Yu Saito

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photograph by代表撮影

posted2024/07/28 11:31

パリ五輪“あの開会式”のウラで観光客が悲鳴「家族連れが警察官に追い返され…」セーヌ川付近はゴーストタウン化「市民は“パリ脱出計画”も」<Number Web> photograph by 代表撮影

7月26日のパリ五輪開会式で、セーヌ川を進むフランス選手団を乗せた船。右奥はエッフェル塔

宿泊施設は一気に値崩れ…市民の「パリ脱出計画」も

 この影響が開会式までの一時的なものかというと、残念ながらそうではない。東京五輪とは異なり有観客開催となったが、観光客の総数自体も見込まれたほど多くないようだ。筆者は1月にホテル予約サイトで宿を予約した。ノートルダム大聖堂が見えるサン・ミシェル橋まで歩いて3分ほどの好立地だ。

 ベッドがあるだけの独房のような空間ながら、開会式3日前の23日から大会終了まで1泊約2万5000円だった。五輪期間中に高くなることを見越し、納得して予約したが、宿泊当日になって予約サイトを確認すると約1万5000円に。想定ほど観光客が来ておらず、値崩れまで起きている状況なのだ。

 加えて、パリから市民もいなくなっている。仏調査会社イプソスの3月時点のレポートによると、パリのあるイル・ド・フランス地域で五輪期間中、パリからの“一時的な移住”を考えている人が47%という驚きの数字が出されている(もともとバカンス好きな国民性ではあるが……)。

 たしかにAirbnbを見ても、パリ周辺の部屋は6000円~2万円程度で多く貸し出され、余っている状況だ。在仏日本人向け情報誌『Ovni』の7月号「貸し物件」欄でも半数近くが五輪期間に限定した形で居住者を募集するなど「パリ脱出計画」が入念に進められていたことがわかる。

 船上で大雨に打たれた選手たち。鳴り止まないパトカーのサイレン音。そして不在のパリジャン、パリジェンヌ。誰のための五輪か。一夜明けた早朝、五輪マークが光り輝くエッフェル塔には霧がかかっていた。

<前編とあわせてお読みください>

#1から読む
パリ五輪「セーヌ川で優雅な開会式」のウラで…現地で記者が見た“平和とは真逆の現実”「5分おきにパトカーのサイレン」「地下鉄で不審物騒ぎ」

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