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「私が先に泳ぐ!」フランス版小池百合子vs橋本聖子? パリ五輪直前、セーヌ川水質をアピールするパリ市長とスポーツ大臣の仁義なき場外戦
posted2024/07/23 11:02
text by
広岡裕児Yuji Hirooka
photograph by
Getty Images
7月13日、朝食のコーヒーと一緒にテレビをつけると、「大臣がセーヌ川で泳いだ」という。アンヌ・イダルゴ・パリ市長(65)がセーヌで泳ぐのは17日のはずだったが……、それにイダルゴは大臣じゃないし、と思って画面を見ると、細身で長身のアメリ・ウデア=カステラ・スポーツ・オリパラ大臣(46)だった。
ウエットスーツに水泳帽で完全装備。トライアスロンやマラソン・スイムのスタートとゴールになるアレクサンドル3世橋近く、石畳の川に入る坂を危なっかしく降りてツルっと滑った。そのまま、ワーワーキャーキャーいいながら仰向けになって浮いている。スポーツ・オリパラ大臣が、イダルゴ市長を出し抜いたのだ。
フランス版・小池百合子と橋本聖子!?
7年程前に小池百合子都知事が環境問題の会議でパリに来た時に取材したが、小池氏とイダルゴ市長はとてもウマがあうようだった。確かに、同じような目立ちたがりだし。とすると、ウデア=カステラ大臣はさしずめ、東京オリンピックのときのオリパラ大臣丸川珠代氏か、橋本聖子氏といったところか。
橋本聖子氏はスケートと自転車でオリンピックに出場したが、ウデア=カステラ大臣もジュニア時代にテニスのフレンチ・オープンやウィンブルドン、USオープンにも出場した選手だった。2021年、22年とフランス・テニス連盟の事務局長にもなっている。
ただし、橋本氏とちがって、スポーツで身を立てたというわけではない。もともと高級官僚の娘で、第一、テニスに没頭できること自体、お嬢様の証ともいえる。
成績も優秀で、大学で修士を取ったあと、2つの学校を経てフランス一のエリート学校ENAでエマニュエル・マクロン大統領の同期になった。官僚の最高ランクといわれる会計検査院を経て、大企業の重役を務めてから、先述のフランス・テニス連盟事務局長に就任。そこで自分の月給を600万円(現在のレート)に上げたというのでスキャンダルになった。