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「2年前、ホテルをウロウロしてた少年が…」20歳ジェイコブス晶が“飛び級”パリ五輪をつかめた理由「八村選手や渡邊選手はずっとアイドル」
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byNaoki Nishimura/AFLO SPORT
posted2024/07/27 11:07
FIBAに“五輪で注目の若手”にも選出されたジェイコブス晶(あきら、20歳)
ジェイコブスは馬場や、すでにNBAにいる八村や渡邊のことは、ずっとSNSをフォローし、試合をチェックしてきた。画面越しに彼らが頑張っているのを見るたびに「早く自分も仲間に入りたい」との思いを強めていた。
まさか、その1年半後に3人とチームメイトになってオリンピックに出ることが叶うとは、このときのジェイコブスは想像すらしていなかったのではないだろうか。何しろ、ジェイコブスは去年まで2027年のFIBAワールドカップと2028年のロサンゼルス五輪が目標だと言っていたのだ。それが、一足飛びにパリ五輪への出場が決まった。この1年半の彼の成長速度がうかがえる。
今年6月末、八村と渡邊が代表合宿に合流した直後に、ジェイコブスはこう言っていた。
「八村選手や渡邊選手は、(自分にとって)ずっとアイドルという感じの人たちで、ずっと見てきました。それが、話すことができるだけじゃなくて、同じコートで練習できるっていうのはすごく嬉しい。一緒に世界大会で戦えるって思うとワクワクします」
“憧れ”のから“超えるべき”存在へ
1年半前に馬場を前にしたときのように、憧れの人を前にした興奮をそう表現したが、そう言った後でこうつけ加えた。
「自分もNBAに入りたいので、2人はすごいですけど(NBAでは)彼らのような人たちだらけなんで、そういう人たち相手に戦えないと、そこに行けない」
憧れるだけでなく、彼らと対等にに戦えるようにならないといけない。そう自分に言い聞かせていた。