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40歳で逝去した橋本真也へ“長男の本音”「父が生きてたら…怒られてただろうな」 プロレスラー・橋本大地が“破壊王”を継承する日 

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橋本宗洋

橋本宗洋Norihiro Hashimoto

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photograph byL)AFLO、R)Norihiro Hashimoto

posted2024/07/19 11:01

40歳で逝去した橋本真也へ“長男の本音”「父が生きてたら…怒られてただろうな」 プロレスラー・橋本大地が“破壊王”を継承する日<Number Web> photograph by L)AFLO、R)Norihiro Hashimoto

“破壊王”橋本真也を父に持つ大日本プロレス所属のレスラー・橋本大地(32歳)

「僕は父が亡くなった後にプロレス界に飛び込んで、自分の形でやってきた。結果、それが正解だったのかなと。でも父が生きてたら怒られてただろうなって。家でも厳しい人だったから、息子がレスラーになったらなおさらでしょう。“なんだあの試合は!”って言われてたかな。ボコボコにされてたかもしれない。でも“橋本真也のコピー”は作ろうとしなかったんじゃないかな。母親は、僕がレスラーになったことを父も喜んでるはずだって言ってましたね。横浜武道館のタイトルマッチも褒めてくれたんじゃないかって」

“父の入場曲”から変えた理由

 その横浜大会では、入場曲を新しいものに変えた。それまでは父の曲『爆勝宣言』をアレンジしたもの。大地がレスラーとして独り立ちしているからこそ、我々はこの曲を素直に聴くことができた。橋本大地は『爆勝宣言』に負けないレスラーになっていたのだ。だが、ここにきてそれを変えた。

「前から変えたかったんですよ。新しい曲を作るのに時間かかっちゃいましたけど。前の曲は“破壊王子”としてのイメージがついてる気がして、一回やめなきゃと思ってたんです。倅もいるのに“王子”じゃないだろって。いつ“王様”になるんだって話にもなるし」

 といって、単に“破壊王”橋本真也の息子であることを否定したいわけではない。

「これから先、もう一回『爆勝宣言』を使うことがあるかもしれない。その時は満を持して、ですね。“破壊王”と呼ばれてもおかしくないレスラーになれたら。

 もちろん僕は僕でキャリアを積んできて、今のお客さんが僕に求めるものと父のイメージが違うということもある。性格もありますしね。その上で、僕なりの“破壊王”を見せられたらいいんじゃないですか。いや“破壊王”がいいのか、そうじゃないほうがいいのかは分からないですよ」

 いや、それはもちろん“破壊王”の異名を息子が受け継いでくれたら最高だ。少なくともその気持ちがあるだけで嬉しいというファンは多いのではないか。定期的に大日本プロレスを取材している立場として、大地が“破壊王”にふさわしい選手になる可能性は十分にあると言っておきたい。

【次ページ】 40歳で逝去した父への思い

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