濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
「高校に行く時間がもったいない」16歳の女子レスラーに師匠もビックリ「お前バケモノだな」 姉超えを誓う、稲葉あずさの“青天井の可能性”
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byHideki Sugiyama
posted2024/07/15 11:02
16歳の女子プロレスラー・稲葉あずさ
7月15日のJTO後楽園ホール大会では、GIRLS王者のAoiとランキングマッチで闘う。どちらもともかに挑戦表明しており、事実上の挑戦者決定戦と言える一戦だ。
スターダムではフューチャー王者・吏南とのタッグが始動。17歳の吏南と16歳のあずさが狙うのは、スターダムの「ババア狩り」だ。2人と比べたら、どんな選手だって若さでは負ける。若さの勢いで、NEW BLOODタッグ王座への挑戦も決まった。
16歳、青天井の可能性
可能性は青天井。ほんの少しの曇りもないから見ていて気持ちがいい。実は、心の中に秘めていた大きな夢もある。
「これ、まだ誰にも言ってないんですけど……いつかWWEのイヨ・スカイ選手と闘ってみたいんですよ。凄くリスペクトしてて。イヨ選手と闘うには自分が世界に出なきゃとか、そういうことも考えますね」
言うまでもなく、イヨ・スカイは世界レベルのトップ選手。そしてあずさと同じ、姉妹レスラーの妹だ。
「姉を超えた妹としても憧れますね」
今はどうしても「稲葉ともかの妹」として見られるし、呼ばれる。
「それがホントに嫌で。“稲葉(妹)”って書かれたり、名前を間違われたり。イラっとするんで、ひっくり返します。ともかを“稲葉あずさの姉”にしてやりますよ(笑)」
いや本当に姉を超えるかもしれないし、イヨ・ スカイと闘うこともあるかもしれない。それが16歳の可能性というものだ。稲葉あずさは小6で自分の人生を決め、その時からプロレス界でどんな夢を見てもいい権利を掴んだのだ。
(撮影=杉山秀樹)