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大谷翔平の打撃成績に“驚きの変化”…1番打者なのに「1試合1打点ペース」は何がスゴい? 大谷は「自分の成績ですか?把握してないので…」
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byGetty Images
posted2024/07/08 17:02
ブルワーズ戦で今シーズン28号ホームランを放った大谷翔平
「1番」19試合、打率.315、9本塁打、19打点。
「2番」69試合、打率.314、19本塁打、46打点。
ベッツが左手を骨折した6月16日のロイヤルズ戦と前後し、大谷が絶好調期を迎えたことも要因のひとつではあるが、現状で「1番」だからと言って、大谷が打点を稼ぎにくくなっているという事実はない。むしろ1番では1試合1打点ペースで2番の1試合0.67打点よりもペースアップしている。ドジャースの下位打線がそれなりの出塁率を残していることも大切なポイントと言える。
最強打者は勝負を“避けられる”問題点も
そんな中、7月2日に大谷はメジャー500打点を達成した。日本人選手としては、780打点のイチロー、760打点の松井秀喜に続き3人目の大台到達となった。
少し脇道に逸れるが、メジャートップは2297打点を挙げたハンク・アーロン。大谷のエンゼルス時代の師匠でもあるアルバート・プホルスが2218打点で続く。
2000打点以上が5人並ぶ中で、歴代最多の762本塁打を放ったバリー・ボンズは1996打点で6位。意外な順位にも映るが、ボンズの場合、走者を置いた状況で勝負を避けられた場面が多かった。四球2558、敬遠688はいずれもメジャー歴代トップ。最強打者であるが故に打点が伸びない。そんな側面もあった。
日本人選手に戻れば、イチローは通算で得点圏打率.307を誇った。しかし、シーズン平均打点は41だった。松井は得点圏打率.294で平均76打点。本塁打数が影響していることもあるが、打順、チーム力は大きな要素と言える。
監督が語る可能性「ショウヘイはまるで小説」
21年以降、打者として常時出場を果たすようになった大谷はエンゼルスでコンスタントに打点を記録した。
21年 100打点
22年 95打点
23年 95打点
昨季は9月4日の打撃練習中に右脇腹を痛め最後の25試合を欠場したが、その中で44本塁打を放ちホームラン王を獲得した。最後まで出場を続けていれば打点王との2冠も十分可能だった。マイク・トラウト、アンソニー・レンドンを欠く中でのこの数字は大きな評価に値する。