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藤井聡太と伊藤匠の表情が一変した“ある質問”…伊藤匠「新叡王」誕生、“テレビに映らなかった”舞台裏「すごく汗をかいていて…」 

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茂野聡士

茂野聡士Satoshi Shigeno

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photograph byKeiji Ishikawa

posted2024/06/22 17:03

藤井聡太と伊藤匠の表情が一変した“ある質問”…伊藤匠「新叡王」誕生、“テレビに映らなかった”舞台裏「すごく汗をかいていて…」<Number Web> photograph by Keiji Ishikawa

対局後、感想戦を行う2人。2人の表情が動いた、記者からのある問いかけがあった

「本譜は消去法で選んだというところがあります。ただ思いのほか、先手がよさに結びつける順がすぐには見つからなかった、というのは幸運だったと思います」

誰にも見られていない時でも将棋のことを考えている

 この言葉を聞いて思い出したのは、川島滉生さんが語った〈伊藤将棋の凄み〉である。

 川島さんは伊藤と同学年で親交があり、小学校時代に伊藤と藤井が出場した大会――当時9歳の藤井くんが号泣した対局として何度も映像で紹介されている――で優勝を飾った実績を持つ。その一方で、同じ将棋クラブで切磋琢磨した伊藤について、このように感じていたそうだ。

「彼は空き時間、誰にも見られていない時でも将棋のことを考えている。つまり、生活に必要な時間以外は全て将棋にささげていて、努力量がケタ違いだったんです」

色紙に書いた「孤髙」の字

 会見を終えた伊藤は色紙に「孤髙」と記した。「高」ではなくいわゆる“はしご高”を使った理由は「はしご高で揮毫される棋士の先生もいらっしゃるので……」とのことだが、棋士になった頃から長らく記してきたものともいう。  

「自分の中でしっかりと信念をもって、高みを目指して」

 藤井聡太に続く21歳の新たなタイトルホルダー。伊藤匠もまた、将棋という深遠の世界を切り拓こうとしている。

前編とあわせてお読みください

#1から読む
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