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「強気のシブノが“戻ってきた!”と」渋野日向子を見守る米現地レポーターが実感「昨年のような大きなミスはかなり減った」「ハマった時の爆発力」
text by
南しずかShizuka Minami
photograph byShizuka Minami
posted2024/06/20 06:02
2位に入った全米女子オープン以来、好調を維持する渋野日向子(写真はマイヤーLPGAクラシック最終日)
「大きなミスがかなり減っていると思います。特にティーショットのミスの幅が狭まってきている印象です。去年はポーンと大きく曲げちゃって……といったミスショットのシーンをよく見かけましたが、今年は明らかなミスはない。彼女が理想としているきれいなドローボールを打てている回数も増えてきていますし、ティーショットだけでなく、ショット全体の精度は上がっています」
ショットの好調さを象徴するのが今季初めて奪ったイーグルにあった。
ショップライトLPGAクラシック2日目の12番パー4、ピンまで約70ヤード。強めの風がふき、ピンポイントで落とし所を狙って打たないといけないという難しい状況の中、第2打を放った。ワンバウンドしたボールはカップに吸い込まれた。「技術が光ったイーグルでした」と、片平は感心する。
当の本人は「あのイーグルはラッキーだった」と振り返っているのがまた周囲との”ズレ”になってしまうのだが、「調子は上向き」は間違いない。
今後さらなる浮上に向けて、あえて課題を挙げるとすれば片平は精神面がカギを握っていると話す。
「プロとして戦う以上、また理由なく結果が伴わない時期がくると思います。そんな時でも、自信を持って、前向きな気持ちで試合に臨むことが大事。去年はツアーのフルシード権を落としたりと、タフな状況が続いていますが、たとえ厳しい状況でも、思い切って前向きにプレーしてほしい。特に渋野選手の魅力の一つは、ファンを魅了するゴルフ。噛み合ったらビッグスコアを出しますし、ちょっとしたトラブルがあった後にイーグルを奪ったりとか、そういう姿勢がスコアに繋がると思うので」
今週はメジャー第3戦、KPMG全米女子プロ選手権(現地6/20〜)が開催される。舞台となる米国ワシントン州サハリーCCはアップダウンがある、木々に囲まれた難コースだ。
前週のマイヤーLPGAクラシック練習日で再び渋野と9ラウンド一緒に回った勝は、「自信を持ってドライバーを振れているなぁ、と。自分もね、あれぐらい自信を持って振れたらいいなとは思います」と刺激を口にする。
噛み合った時に発揮する爆発力。仲間も羨望する思い切りの良さ。
メジャーの舞台で再び“しぶこスマイル”が輝くことを期待したい。