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ドジャース激震「じつは試合前から異変が…」山本由伸の右肩負傷は“スライダーが増えた”から? 大谷翔平がサポート約束も、ベッツまで離脱 

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田中大貴

田中大貴Daiki Tanaka

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posted2024/06/18 06:01

ドジャース激震「じつは試合前から異変が…」山本由伸の右肩負傷は“スライダーが増えた”から? 大谷翔平がサポート約束も、ベッツまで離脱<Number Web> photograph by JIJI PRESS

ロイヤルズ戦の1回、右腕をもむドジャース先発の山本由伸

 この日はストレートの平均速度は4km/hほど落ちていたという数字的な部分に加え、プルペン同様に、打者を打ち取るごとに何度も右腕を頭の上にあげて腕と肩の動きを確認する姿があった。

 試合後、軽傷であることを訴えた山本だが、ロバーツ監督は故障者リスト入りを決断。登板翌日の17日、精密検査を受け、右肩腱板の損傷の診断が下った。上腕から肩へとつながる腱板が部分的に損傷し、上腕に張りを感じるようになっていたのだ。

原因はスライダーが増えたから?

 日本では唸りを上げるストレートと独特の縦の変化を見せるカーブ、そして速く鋭く落ちるスプリットであらゆる投手タイトルを手にしてきた。アメリカに来てからの大きな変化を挙げれば、オリックス時代にはあまり投げていなかったスライダーの割合がかなり増えたことだ。

 デビューしてからの1カ月間は全く投げていなかったスライダーを5月から投げ始め、白星がつくようになった。その割合はというと、5月最初のダイヤモンドバックス戦は全投球の3.2%(3球)だったが、ヤンキース戦では12.3%(13球)にまで増えていた。

 日本の統一球よりも滑りやすくボールを握る力と研ぎ澄まされた指先の感覚が必要と言われているメジャー球。オリックス時代よりも短い登板間隔の中でローテーションを回していくという条件もクリアしなければいけない。初めての経験が続く中での新たなトライとなるスライダーを交えた打者への配球。今回の症状の原因としては手首から上腕の捻りを使いながら投じるスライダーの割合が増えたことによる影響、そして短い間隔の中での登板数による肩の酷使が考えられる。

【次ページ】 大谷翔平もサポートを誓う

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山本由伸
ロサンゼルス・エンゼルス
大谷翔平

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