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「タイトルマッチの体をなしていない」新日本プロレスの大混乱…内藤哲也の“二つの戦い”は起爆剤になるのか?「オレが取り返すしかないでしょう」
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2024/06/15 11:03
6月30日にアメリカで対戦する内藤哲也と現IWGP世界ヘビー級王者のジョン・モクスリー。新日本プロレスの“混乱”に終止符を打てるか
「内藤哲也、お前は死ぬんだ」モクスリーの宣告
4月23日に内藤が後楽園ホールのリング上でリーに襲われてKOされたときには、「これは面白い展開になるんじゃないか」と期待した。ところが、その後、4月27日の広島サンプラザホール、5月6日の日本武道館や5月22日のノアの後楽園ホールなどで対戦を繰り返したが、なんだか盛り上がらない。たしか、二人の初遭遇は1年半前のドラディションのリングだった。
内藤vs.リーは明らかにトーンダウンしている。興味の対象から除外されようとしている。ファンばかりでなく、当事者の二人とも醒めている感じで、ただメインイベントで試合をするだけになってしまうのか、と危惧してしまう。
そのあまりのトーンの低さに、何かの大爆発があるのかと、逆に期待するしかないだろう。リーにとってはラストチャンスでもある。
内藤の頭はもう6月30日のモクスリーとの再戦に傾いている。一方のモクスリーは、ジョシュ・バーネットと6月22日に両国国技館でのバーネット主宰の『Bloodsport Bushido』で対戦することが決まっている。
「内藤、お前がどこかに潜んでいて、来るとわかっていたぞ。今、断崖に立っているのは、お前とオレだけなんだ。『FORBIDDEN DOOR』で残っている仕事をすべて終わらせる。お前を棺桶に入れて土の下に葬ってやる。火を放ち、埋めてやる。内藤哲也、『FORBIDDEN DOOR』でお前は死ぬんだ」
内藤は日米の二つの戦いを無事、終えることができるのだろうか。