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「タイトルマッチの体をなしていない」新日本プロレスの大混乱…内藤哲也の“二つの戦い”は起爆剤になるのか?「オレが取り返すしかないでしょう」
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2024/06/15 11:03
6月30日にアメリカで対戦する内藤哲也と現IWGP世界ヘビー級王者のジョン・モクスリー。新日本プロレスの“混乱”に終止符を打てるか
「地獄の中を歩き回るのは、オレにとっては朝飯前なんだよ」
モクスリーは海野翔太以外に永田裕志、天山広吉、タイガーマスク、真壁刀義を今回のセコンドに選んだ。
「オレは『第三世代』のレスラーたちを誰よりもリスペクトしている。そして今回、彼らがセコンドに立つということは、彼らの知恵や経験、彼らが長く日本中を回って経験してきたすべてを、オレとともに共有してくれるということだと思う」
モクスリーは前日の会見でそう理由を述べていた。
内藤哲也の挑発「ジェイク・リー、悔しくないの?」
「IWGP世界ヘビー級王座を持ってどこにでも行く。正直、対戦相手なんて誰でもいい。リングに入れば、オレは誰でもいいんだ。大阪のストリートでも、アラバマの田舎でも、どこでもいい。いつ、どこで、どんな状況であろうが、オレは戦う。リングの中じゃなくてもいい。このタイトルマッチができるということが、オレにとって大切なことであり、その相手が誰かということは重要ではないんだ」
そんなモクスリーに対し、「だれも名乗りをあげないから」とやってきたのが内藤だった。4月12日、アメリカ・シカゴで内藤はモクスリーに負けてタイトルを失っている。ここまで静かにしていたのが不思議なくらいだったが、内藤はなおも穏やかだった。
内藤は6月15日に北海きたえーるで行われる『ALL TOGETHER』のメインイベントで、プロレスリング・ノアのジェイク・リーと対戦する。
「ジェイク・リー選手、悔しくないの? この状況。自分で言うのもなんだけど、二兎を追う者は一兎をも得ず? まさにそんな状況でしょう。自分でもそう思いますよ。そもそも(IWGPを)流出させてしまったのはオレなわけで、それならオレが取り返すしかないでしょう。なんか『ALL TOGETHER』でのシングルマッチの興味がなくなっちゃった。ジェイク・リー戦が、モクスリー戦のステップのようなそんな試合になってしまった。ジェイク・リー、悔しいだろう。まだ時間はあるよ。動いてみろよ。口か? それとも足か? 自分の体を使って、この状況を変えてみろよ」