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1対5でIWGP王座防衛、成田蓮を酷評…ジョン・モクスリーはなぜ新日本の“ばかげた状況”を受け入れたのか?「人生は後悔の連続。だが…」
posted2024/05/10 11:07
text by
原悦生Essei Hara
photograph by
Essei Hara
IWGP世界ヘビー級王者ジョン・モクスリーは5月4日、福岡国際センターで成田蓮を倒して2度目の防衛に成功した。
モクスリーは4月12日にシカゴで行われた『WINDY CITY RIOT』で内藤哲也から血だらけでIWGP世界王座を奪った。そして、次のチャレンジャーに海野翔太を指名したが、そこに強引なやり方でちょっかいを出してきたのが、EVILら悪の軍団ハウス・オブ・トーチャーで存在感を高めている成田だった。
IWGP王者モクスリーが成田蓮に呈した“苦言”
モクスリーは4月24日、AEWのリングでパワーハウス・ホブスを相手に初防衛戦を強行した後、日本に乗り込んできた。成田は同王座初挑戦だが、軍団の助っ人を得て一気にベルト取りをもくろんでいた。
海野と共に「令和闘魂三銃士」とも呼ばれる3人の中では、辻陽太が先を走っている感があった。そこに負けじと食い込んできたのが成田だった。
ヤングライオン時代はこの3人の中で成田が一番「新日本らしかった」のだが、悪に身を投じてからは不敵な笑いを浮かべて、トレーニング用のプッシュアップボードを凶器として使用している。
「いろいろなベルトを手にしてきたが、IWGPのベルトは一番権威があり、先人たちの気持ちや魂が込もっているものだと思う。だから、その王者としての責任感と少し謙虚な気持ちも持ち合わせている。でも、リングに一歩足を踏み入れたら、リスペクトの気持ちなどどうでもいいと思っている。対戦相手はみんな同じようなやつらばかりだ。誰でも一緒だ。グレート・レスラーは世界に何人かいるだろうが、ジョン・モクスリーはオレ一人しかいない」
「オレはオレがやりたいようにプロレスをやってきた。首を絞めて、腕を折って、頭を蹴り上げてきた。有刺鉄線にぶつけたいと思ったら、そうしてきた」
さらにモクスリーは成田についても語った。
「ヤングライオンの若い時から道場で練習して、自分は特別な存在だと思い込んでいるかもしれない。でも、オレが知っている95%のやつらとまったく同じで、子供みたいなものだ。オマエ自身、自分が何なのか、何者かをまだ理解していないだろう。そんなスーツを着て、他人が設定したスタンダードを求めて生きているように見える」