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「あとは祈るだけ」「オーバーエイジは気になる」サッカーパリ五輪“18人”の争いが最終段階…ピリピリ米合宿で“予選の主力組”が漏らした本音 

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了戒美子

了戒美子Yoshiko Ryokai

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posted2024/06/15 11:05

「あとは祈るだけ」「オーバーエイジは気になる」サッカーパリ五輪“18人”の争いが最終段階…ピリピリ米合宿で“予選の主力組”が漏らした本音<Number Web> photograph by AP/AFLO

最終テストとなったアメリカ戦で天を仰ぐ主将・藤田譲瑠チマ(22歳)。熾烈なサバイバルを終え、7月3日にいよいよパリ五輪メンバーが発表される

 最終日11日に行われた合宿2度目のアメリカ戦は、五輪本番とほぼ同じレギュレーションで、有料試合となりテレビ中継も行われた。メンバー発表前最後の試合だったが、22分に山本が相手のシュートを顔面に受け脳しんとうで交代。脳しんとうによる交代は通常の交代枠にカウントされないため、5枚の交代枠に加え山本の分の合計6人が交代でピッチに立つことができた。つまり、先発の11人と合わせて17人がピッチに立ったことになり、これに控えGKを加えると五輪メンバーと同じ18人になる。

 だが、この試合に出場した選手がそのままパリ行きの切符をつかむというほど話は簡単ではない。大岩監督はこの合宿に参加していない選手を招集する可能性も認めている上に、オーバーエイジ3枠をどのように活用するかは現時点でも「全くわからない」そうだ。

 オーバーエイジ選手は、招集するのであれば日本代表クラスと明言されているが、その多くは海外組で、夏の移籍市場の動きが大きく影響する。どのように動くことになるのか本人さえ把握できていない場合が多く、移籍がなくても所属先に新監督が来た場合はプレシーズン合宿の参加を求められて五輪行きを諦めざるを得ないケースもある。メンバー争いの状況はいまだに混沌としているのだ。

守備も厭わない佐藤、可能性を示した佐野

 最終日のアメリカ戦は、藤尾翔太(町田ゼルビア)のPK、途中出場の細谷真大(柏レイソル)の2得点で完封勝利した。主将の藤田はアメリカ戦でもアンカーでフル出場し、アジア最終予選に引き続きチームに安定感を与えた。守備への貢献も厭わないと語っていた佐藤も68分から投入されて精力的にプレー。終盤に投入する起用法が指揮官の中で一つのパターンと確立されていることが窺えた。81分からピッチに立った初招集の佐野も「自分でコントロールできるわけではないので出た時に何ができるか」と割り切り、短い時間の出場ながらチャンスにつながる可能性は感じさせた。

 ただ、どこかチーム全体は最後までぴりついた空気を残したまま。欧州組はここから束の間の休養を過ごしながら調整し、国内組はJリーグで最後のアピールに懸ける。大岩監督は「選考は最後の最後まで悩むだろう」と結び、合宿を打ち上げた。

 パリ五輪に臨む18人は、約3週間後の7月3日に発表される。

◆ ◆ ◆

《パリ五輪サッカー日本代表 今後の日程》
7月3日(水) メンバー発表
7月17日(水)28時〜 親善試合 vsフランス
7月24日(水)26時〜 第1戦 vsパラグライ
7月27日(土)28時〜 第2戦 vsマリ
7月30日(火)28時〜 第3戦 vsイスラエル
※時間は全て日本時間

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