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「結婚して初めての試合で…」RIZIN勝利後、堀口恭司はリングに妻を呼んだ…「フライ級か、バンタム級か?」UFC参戦希望、堀口の思いは 

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橋本宗洋

橋本宗洋Norihiro Hashimoto

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photograph byRIZIN FF Susumu Nagao

posted2024/06/12 11:03

「結婚して初めての試合で…」RIZIN勝利後、堀口恭司はリングに妻を呼んだ…「フライ級か、バンタム級か?」UFC参戦希望、堀口の思いは<Number Web> photograph by RIZIN FF Susumu Nagao

6月9日の『RIZIN.47』にてセルジオ・ペティスに勝利しリベンジを果たした堀口恭司

 堀口はペティスと2021年12月にベラトールで対戦。優勢に試合を進めていたが、4ラウンドにKO負けを喫した。ハイキックをかわした瞬間、不意のバックブローを食らい一撃で失神。テイクダウンしたものの「盛り上げなければ」と自らスタンドに戻したことがアダになった。

 リマッチは6.9『RIZIN.47』で組まれた。この試合、堀口は再びバンタム級に階級を上げている。試合はやはりテイクダウンで堀口優位。堀口としては「決めて(フィニッシュして)勝ちたかった」が、下になったペティスがディフェンスに専念したこともあり、展開が生まれにくかった。

「(ペティスは)ずっと抱きついてきて。ああやられちゃうと難しいですよね。それでも決めたかったですけど」

「セコンドに“集中しろ”と言われ…」

 最終3ラウンドはスタンドの展開。ペティスはバックスピンキックなど持ち味を出してきたが、堀口は距離を近めに設定してクリーンヒットを許さない。最後まで落ち着いて試合を進めて判定3-0。貫禄のリベンジという趣だった。

「自分の悪い癖が出て、3ラウンドに打ち合おうとしてしまって。セコンドに“集中しろ”と言われました。(盛り上げたかった?)もちろんそういうのもあるんで。自分はそこを目標にしてますから」

 打ち合ってKOしたいという本能の誘惑を抑えることができたのには、セコンドの声とともに妻の存在も大きかったのではないか。堀口は昨年大晦日のリング上で、元RIZINラウンドガールの川村那月さんに公開プロポーズ。今は結婚して2人でアメリカに住んでいる。妻が作る和食も堀口の支えになっているそうだ。

「結婚して初めての試合で、一番緊張してたので」

 ペティスにリベンジを果たしたリングに、堀口は妻を呼び込んだ。“結婚して弱くなった”とは絶対に言われたくない。そんな気持ちを察して労ったのだ。対戦相手を罵倒したり記者会見で乱闘することのない、アスリートらしいアスリートの人間性が見えるパフォーマンスだった。

 そんな堀口はアクがないとも言えるのだが、代わりに世界最高レベルの強さがある。何しろアメリカの団体の元チャンピオンに“実力勝ち”してしまうのだ。それどころか、勝つだけでなく倒したかったのだという。

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