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井上尚弥の初体験…ネリに奪われたダウンの真相を語る! その瞬間思ったのは…「テンション上がりましたね。ワクワクしましたよ」
text by
渋谷淳Jun Shibuya
photograph byHiroaki Yamaguchi
posted2024/06/03 17:00
Numberのインタビューでネリ戦の舞台裏を明かした井上尚弥
「意表を突いた部分もあるし、映像を見返すと自分のガードがちょっとラフになっていた部分もあります。いずれにしても、自分がネリのパンチの軌道をインプットする前に、ちょっと近づきすぎたというのはあったと思います」
――試合でのダウン、初体験ですよね。ちょっと思い出したのは、'19年11月のノニト・ドネア第1戦です。序盤に眼窩底骨折、出血もしてダウン寸前のピンチも味わって、試合後に井上選手は「これでプロボクサーになれたような気がする」と発言しました。初ダウンでもそんな気持ちになったのかなと想像したんですけど……。
「いや、そういう感じはなかったんですけど(笑)。だけど思った以上にテンションは上がりましたね。なんかワクワクしましたよ。もう、なんて言うか、逆に燃えてきたぞって感じでした」
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――テンションが上がったとはいえ、失点をすぐに取り戻そうと熱くなったりはしませんでしたね。
「たとえテンションが上がったとしても、やるべきことってありますから。ダウンした瞬間に思ったのは、ポイントを計算して勝ちにつなげること。この時点で8-10のビハインドです。だからまずは2、3ラウンドを確実に取ってイーブンにしようと。1ラウンドが終わったインターバルで、ちゃんと上にあるモニターでダウンシーンを見返して、どの角度からパンチをもらったかを確認する余裕がありました。だから2ラウンドからはしっかり戦えた。修正する余裕があったんだと思います」
確かにダウンは初めてかもしれないけど…
――繰り返しますが初ダウンです。イメージトレーニングをしていたということですけど、あの冷静さはやっぱりさすがだと思わずにはいられません。
「みなさん『カウント8までしっかり待ってから立った。冷静だ』とか言うんですけども……。いやいや、自分は4回戦とか6回戦の選手じゃないんですよと言いたいです(笑)。確かにダウンは初めてかもしれないけど、そういう対応はダウンしたときの基本ですからね」
◆◆◆
初ダウンを喫するも、見事なTKO勝利を飾ったモンスター井上尚弥。後編では、今後の展望を明かしています。
<続く>
【インタビュー全編を読む】サブスク「NumberPREMIER」内の【ロングインタビュー】井上尚弥が明かしたネリ戦の真実「初ダウンにワクワク」「当日体重2kg増の理由」「最後にフェザー級でっていう気持ちも」で、こちらの記事の全文をお読みいただけます。