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「俺が巨人やソフトバンクのGMをやってもダメ」だった理由は…? 元GM高田繁(78)が語るDeNAの特殊性「優勝へのアプローチの仕方が違う」
posted2024/05/19 06:01
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph by
JIJI PRESS
生まれは鹿児島の薩摩隼人。育ちは大阪。名門・浪商のケンカ野球で生を受け、明治大学島岡学科の首席卒業と呼ばれた神宮の華から、V9巨人の川上野球を骨身に刻み込んだ現役時代。引退した後は、日本ハム監督、巨人二軍監督、北海道移転後の日本ハムGM、ヤクルト監督と各地を転々としながら、若いチームの土台づくりを担ってきた。
一線を退いていた2011年12月。親会社が変わったDeNAベイスターズから三顧の礼で迎えられ、チーム作りを任されるGMに就任。焼け野原の中から7年間かけ、チームの土台をつくりあげると、2018年いっぱいでGMを退任した。御年78歳。第一線から退いて早5年。高田繁が語った筒香復帰への思いとは?<NumberWebインタビュー全2回の2回目/最初から読む>
「お金を出して獲ればいいというのは好きじゃない」
――(※このインタビューは筒香選手の入団前の取材です)現行のFA制度では、複数球団が獲得に乗り出しているとマネーゲームになりがちです。
高田 俺はいくらでもお金を出して獲ればいいというやり方は好きじゃないのよ。お金のある球団を相手にすれば、うちが5億出すといえば、必ず6億出してくる。ならば10億出すといえば11億出すというのだからどんどん年俸がおかしくなる。
こっちが必死の思いで工面して3億を用意するんだよ。だけど相手が10億出してきたら……そりゃ選手は10億に行くわな。プロなんやから。
――(笑)。
高田 それがイヤなら「おまえも出せばいいんだ」ってなるからね。どっちを選んだとしても恨みっこはなしですよ。ただね、お金が入ってきたのであれば、その資金は、真っ当なチーム作りのために充てるべきや。
それは活躍した選手にあげてね、やれるようなチームの雰囲気になってきているから、気持ちよく働いてくれる球団になってもらえればいいなと思っている。