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「ネリほどパワーはないのだが…」井上尚弥と交渉開始、サム・グッドマン(25歳)とは何者か? 東京ドームで直撃「モンスターも人間だった」 

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杉浦大介

杉浦大介Daisuke Sugiura

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photograph byL)JIJI PRESS R)Daisuke Sugiura

posted2024/05/10 17:05

「ネリほどパワーはないのだが…」井上尚弥と交渉開始、サム・グッドマン(25歳)とは何者か? 東京ドームで直撃「モンスターも人間だった」<Number Web> photograph by L)JIJI PRESS R)Daisuke Sugiura

井上尚弥vsルイス・ネリをリングサイドで見届けたサム・グッドマン(25歳)

 井上は年内、スーパーバンタム級に止まり、あと2戦を行いたいと主張してきた。その2試合はグッドマン、WBA指名挑戦者であるムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)との対戦が有力なのだろう。ネリ戦から一夜明けた会見でも井上陣営は次戦がグッドマン戦と繰り返しており、その方向に進む可能性が高そうに思える。

 もっとも、井上対ネリの試合前、グッドマンは「6、7月に次の試合を計画している。12月に井上に挑戦できるなら、それまでに1試合挟むはずだ」と述べていた。試合後の井上のマイクパフォーマンスの後でも、グッドマンのマネージャー、ピート・ミトレブスキー氏は「7月の試合はもう契約書にサインしてある。我々としては12月がベストだ」と述べ続けていた。もちろん世界戦が早期成立するに越したことはないはずだが、陣営の言葉は本気なのか、それとも好条件を引き出すためのブラフか。いずれにせよグッドマンが年内に井上挑戦を実現させる可能性は高いとしても、今後の交渉が気になるところではある。

「東京ドームは別次元」「参加したい思いが強くなった」

――何歳でボクシングを始めたんですか?

SG 9歳のときだ。初めてのアマチュアの試合を経験したのは10歳だった。以降、もう15年も戦い続け、やっとここまで辿り着いた。

――成長過程で好きだったボクサーは?

SG 2011年以降、ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)が私のフェイバリットボクサーになった。ロンドン五輪の前に彼のボクシングを見て、すぐに好きになったんだ。以降、ずっとロマチェンコが私のお気に入りだよ。

――ロマチェンコのスタイルを参考にもしているのでしょうか?

SG 幾つか取り入れようとした部分がある。本当にとてもいいボクサーで、私にとってのインスピレーション。だから彼のトリックを参考にしたし、真似ようとしたところもある。ただ、彼には彼のスタイルがあるし、私も自身のボクシングを構築してきた。最高の自分自身になれるように日々、努力しているよ。

――今回、4万人以上を動員した井上の日本での人気、そしてこの東京ドームというステージをどう感じますか?

SG 素晴らしいとしか言いようがない。これだけ多くの人が井上をサポートするというのはすごいことだし、日本に来て驚かされたのはファンがボクシングを心から愛していることだ。ホテルに足を踏み入れた際、たくさんのファンからサインや写真撮影を求められた。私はこの興行で戦うわけですらないのに、とほとんどショックを受けた。これほどのイベントを開催できることを日本のファン、関係者は誇りに思うべきだし、私もいつか参加したいという思いが強くなった。

――2022年10月、同じオーストラリア人のジョージ・カンボソスJr.がデビン・ヘイニー(アメリカ)との試合をメルボルンのスタジアムで開催しましたが、その興行と比べていかがでしょう?

SG そのイベントも会場に行ったが、正直、今回の興行は別次元だと思う。本当にすごいよ。雰囲気、セットアップなど、見事としか言いようがない。おかげでこのスタジアムを訪れたすべての人々にとって特別な夜になったはずだ。

【次ページ】 「とにかく世界チャンピオンになりたい」

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