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仲間の退団に「ずっと泣いてました」…19歳のシンデレラ・羽南が“揺れるスターダム”で下した決断「憧れは捨てられない」《特別グラビア》
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2024/04/22 17:00
3月のシンデレラ・トーナメントで優勝を果たしたスターダムの羽南(19歳)。4月27日の横浜BUNTAIで安納サオリの白いベルトに挑む
「唯一無二で、格好いい人」安納サオリに挑戦
シンデレラになった羽南は、白いベルトの王者・安納サオリへの挑戦を決意した。
「緊張です。シンデレラの時でさえ緊張してああだったのに、あの安納サオリですから。唯一無二の存在で、格好いい人。オーラとか全然違います。真っ白で、何にも染まらない感じ。でも、怖いなんて思っていられない。自分はこのままの勢いで進むしかないので」
きっぱりとそう言った。安納には「シンデレラの魔法が解けたのかと思った。いいよ、やろうよ。前と違う羽南を感じさせてよ、このベルトを通してさ」と返された。筆者は、羽南には“約束された特別な未来”があると感じている。だが、本人はあくまで自然体だ。
「周りはみんな年上で大人なので、頼れるんでありがたいなあ、って(笑)。『一人暮らしで家事できるの? 心配なんだけど』って、飯田(沙耶)ちゃんが引っ越し祝いにサンタクロースみたいな大きな袋を持ってきてくれて。ホットプレートとお鍋がセットになっているのが入ってました。『これあれば何でもできるんだよ』って」
羽南は無邪気に笑った。
「せっかくもらったのに悪いですが、まだ使ってないです(笑)。でも、フライパンは使えるので! 最初に作った料理は、焼きそうめん。そうめんを間違っていっぱい買っちゃって。それを鍋でゆでて、具なしでソースかけて食べました(笑)。豚肉を使って肉野菜炒めも作ります。でも、最近は友達と食べに出かけてしまうことが多いのであまり自炊できてないんですよね。洗い物が面倒で……」
選手としての成長は著しいが、一人暮らしはまだ“課題だらけ”なのかもしれない。取材中、こんな突飛なことも言いだした。
「部屋に洋服が散乱しちゃう……。洗濯するのも干すのも大丈夫、でも畳むのがダメなんです。服を畳んでくれる専用の人いませんかね(笑)」
羽南はこの8月に20歳になる。まだ少し先の話だが、楽しみにしているイベントもある。
「成人式の振袖を選びに行ったんですよ。意外な色をチョイスしました。かわいいですよ。みんなと被らない色にしたので、楽しみにしていてください。地元の成人式は試合休んでも行きます! 絶対行きます。これに行かないと、地元の友達に一生会えないかもしれないから」