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“現役最長身”181センチの女子レスラーに変化?「勝ちたいという感情を…」デビュー1周年、スターダム・HANAKOの“ダイナミックな成長”
posted2024/04/22 17:01
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph by
Norihiro Hashimoto
女子プロレス団体スターダムは、4月から新たなスタートを切ることになった。3月いっぱいでジュリア、林下詩美ら5選手が退団。昨年12月に社長も代わった。創設者のロッシー小川氏は契約解除、新団体設立を発表している。
所属選手全体の数から見れば5人は多くないが、ジュリアと林下、それにMIRAIはトップ選手。スターダムとしてもタイトル戦線、メイン級カードの“底上げ”が必須になってくる。
その意味で重要だったのは、3月24日に開催された京都・KBSホール大会だ。2022年デビューの“超新星”天咲光由が林下と好勝負を展開。新人というカテゴリーから抜け出せるだけのポテンシャルを感じさせた。
身長181センチ、期待の新人レスラー
この大会のメインイベントはNEW BLOOD(NB)タッグ選手権。若手主体興行『NEW BLOOD』内で昨年、新設されたベルトだが、今回は通常興行でのタイトルマッチとなった。
チャンピオンは羽南と飯田沙耶。羽南は中学生でデビューした19歳で、今年の「シンデレラトーナメント」優勝を果たした。新世代の筆頭格と言える。飯田は林下と同期で“黄金世代”と呼ばれる選手たちの一角。長期の負傷欠場があったが、NBタッグ王座獲得を機に巻き返しの最中だ。
挑戦の名乗りをあげたのは月山和香とHANAKO。今年できたばかりのユニット「E neXus V」(EXV)のメンバーだ。試合の“主役”になったのはHANAKO。昨年3月25日にデビューした新人で、会場のある京都出身。過去にもNBタッグ、フューチャー・オブ・スターダム王座に挑戦しているが、地元でのタイトルマッチは初めてだった。客席には両親もいたそうだ。
学生プロレス出身で身長181cm。日本の現役女子レスラーとしては最も長身だ。学生時代は就職活動をして内定ももらっていたが、プロレスの道を選んだ。1年で3度のタイトル挑戦が認められたのは期待の表れだろう。昨年、スターダムでは5人の新人がデビューしている。HANAKOはその中でも出世頭になると思われた。
ところが、新人王トーナメントでは同年デビューだが後輩の弓月に決勝で敗北。インタビュースペースで号泣した。今回のタイトル挑戦は、だからあらためてそのポテンシャルを証明するチャンスでもあった。タイトルマッチは3月24日。デビュー日が3月25日だから、キャリア1年目の最後の試合でもあった。「1年間やってきたことをここで出したかった」とHANAKO。