濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
「私の“終わり”って何なんだろう、と」RENA32歳が明かす“引退時期”への本音…一本負けの大ケガから1年「今さら焦ることもない(笑)」
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byNorihiro Hashimoto
posted2024/03/22 11:00
RIZIN神戸大会でのシン・ユリ戦を控え、インタビューに応じたRENA
幼稚園ぶりのショートカットで
格闘技が楽しい。いつ以来かも思い出せない感覚とともに、RENAは試合に戻ってくる。3月12日の公開練習イベントには、ファンの前にショートカットで現れた。「ここまで短いのは幼稚園以来ですね」とRENA。
「ずっと髪が長かったのは、女の子っぽいのが好きだし女子格闘家といえばショートというイメージがあったから。それに反発したい気持ちがあったんですよ」
女子選手が強くなる=“女を捨てる”といった見方もある。時にはそれが褒め言葉であったりもする。そういう常識に抗って、立ち技でもMMAでも確固たるポジションを得た。だがここまできたら、もう反発する必要もないだろう。見た目がどうであれ強い者は強い。RENAはそれを証明してきたのだ。
「気分的に“いっちゃうか”って切ったんですけど、髪が短いとめっちゃ楽ですね。(RIZINフェザー級王者の)鈴木千裕くんには“RENAさん何かあったんすか! 失恋ですか!”って言われたんですけど、いつの時代やねんって(笑)。千裕くんが髪切ったらそういうことだと受け止めるわって言っておきました」
常に女子格闘技というカテゴリーを代表し、背負う存在だったRENA。しかし、長いキャリアの中でやれるだけのことをやってきた。過去でもこの先でもなく、何かを背負う必要もない。自分のため、今この時の完全燃焼のために、彼女は闘う。