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ドジャース320億円軍団でも「9位」の衝撃…MLBチーム年俸ランキングが超ハイレベルな件「“NPB全選手<メジャー1球団”という現実」
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph byGetty Images
posted2024/03/20 11:02
大谷翔平(一番左)は「後払い」のため、今季年俸で換算すると200万ドル(約3億円)。豪華メンバーが揃うも年俸はMLB全球団の中で9位に
エンゼルスがドジャースに肉薄した2023年
パドレス以降の14球団が、日本円にして「200億円超」という年俸規模である。そしてドジャース以降の9球団は「320億円超」。日本プロ野球の選手会入会選手の昨季総年俸を1球団で超えている計算になる。
ただ、2023年春を思い出せば……大谷やダルビッシュら以外の大半がNPBの選手だった侍ジャパンが、WBC決勝の舞台で超高額年俸のスーパースターぞろいだったアメリカを倒して世界一奪還を果たした。勝負はカネで決まるわけではない、という痛快さを見せてくれたと言える。
なお、昨季のMLBランキングを見ていくと、ドジャースは6位、パドレスがトップ3にランクイン。さらに言えば、大谷が昨季まで所属した“同じロサンゼルス”のエンゼルスが8位で、ドジャースとの総年俸差は15億円ほどだった。大谷はもちろんメジャー最強打者の1人トラウトもいるので納得だが、ケガがちで稼働が限られるレンドーンの7年総額2億4500万ドル(約367億5000万円)が順位を押し上げており、コスパ面で言うとやっぱり悩みのタネだろう。
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前出の藤浪は、メジャーで最も安い総年俸クラスのアスレチックス、オリオールズを経て、金満球団として名高いメッツに籍を置いている。ただ総年俸のランキングで昨季もワンツーを飾ったニューヨークの2球団が地区4位に沈み、総年俸で3倍近い差があるオリオールズが地区優勝を果たすのだから……WBCと同様、勝負はやってみないと分からない。
「1015億円」という総契約額に現れる特大の期待値に対して、大谷がどのように応えていくかも含め、今季のメジャーから目が離せない。