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久保建英が“因縁の暴力的ファール主犯”と再会して〈気にするなよ〉間近で見た潔さ…スペイン名物ワインの本拠地に馴染む“14番への愛”
posted2024/03/19 17:26
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph by
Daisuke Nakashima
3月15日、ラ・リーガ29節 レアル・ソシエダ対カディス戦の撮影に向かった。
ソシエダのホームタウンであるサンセバスチャンでは、暖かな日差しが春の訪れを感じさせる。
オープンテラスのカフェに人が集まり、賑やかなスペインの人々の良さを感じさせる風景が広がる。冷えたビールだけでなく、バスク地方ならではの微発砲ワイン「チャコリ」の喉越しが心地よい。
キックオフは金曜日の21時だったが、17時頃にはスタジアム周りが活気付き始めていた。
カディスサポーターに話しかける地元サポーターの姿があり、近くの広場では子供たちがボールを追いかけ回している。
冬の間、ユニホーム姿のサポーターはダウンジャケットに隠れてしまっていたが、草木が芽吹くように、ジャケットの影から姿を現したユニホームの様々な色が、街に彩りを与え始めている。
そしてごく自然に〈TAKE 14〉と日本人選手のユニホームを纏ったサポーターの姿が街に馴染む。
「Take」の歓声に応えるようにCKから…
前節、アウェイでのグラナダ戦では、ハムストリングと背中の違和感によりベンチ入りはしたものの出場のなかった久保だった。
ソシエダ指揮官イマノルによると、今節までも当初は練習に参加できていなかったという。ただすでに違和感はなくなり、今節では先発出場に返り咲いた。
今節は反・人種差別のキャンペーンが張られた試合でもあったため、両チーム入場時には特別ユニホームを着用しており、肩を組んでの撮影の場面もあった。
試合が動いたのは前半28分、ソシエダボールでのコーナーキックの場面だった。
キッカーとしてコーナー付近へ向かう久保には、期待のこもった大きな「Take」という歓声がかかっていた。そして久保は、ボールをセットしながら相手の陣形が整っていないことを察知すると、素早くグラウンダーのパスを蹴り込んだ。
ニアポスト付近でミケル・オヤルサバルがヒールキックで軌道を変えると、フリーで待ち構えるミケル・メリノがゴールへ蹴り込んだ。
不振が続くチームは、ホーム、アウェイ問わず先制点を奪われている試合が続いてきていたが、希望の光となる先制点奪取に喜びを爆発させた。