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「履歴書が書けないんです」日大アメフト部“悪質タックル”の元監督、内田正人のいま 本人が明かす「追放された監督」のその後
text by
齋藤裕Yu Saito
photograph byYuki Suenaga
posted2024/03/09 17:00
日本大学アメフト部「フェニックス」の元監督・内田正人氏。事実上の永久追放を意味する除名処分となってから約6年の日々を振り返った
自分の後任の監督から今までは「学生主体」として、例えば学生が自らが問題を作成し、自分たちで解くという形になったんです。だからどんな問題でも学生が作れるんですよ。そうして、どんどん練習でも生活でも楽な間違った方向に行くんだと思います。でも、篠竹や僕が考える「主体」はスパルタかもしれないけど、こちらからどんどん課題を与えていって、考えなさいよという教育なんです。篠竹が無理難題をコーチや選手に言っていたりする。これはお前たちはできるのか、できないならできないと言えっていうのが篠竹の考え方なんです。つまり自分たちでできるように考えろということです。
僕個人の感情で出す選手を決めたりはできない
――そのあり方ゆえに日大の第三者委員会の最終報告書で「独裁体制」と論じられたのではないですか?
大学の常務理事をやっているからとか言われましたけど、あの時のチームは学生がフットボール(=アメフト)に対してプラスになるコーチを揃えたんですよ。僕が独断で決めるどころか、ヘッドコーチがいてディフェンスの責任者のコーチとオフェンスの責任者のコーチがそれぞれ考えて、ヘッドコーチが集約していた。僕は承認もしていません。それは警察でも証明されました。僕個人の感情で出す選手を決めたりはできないんですよ。
――とはいえ、選手たちにメッセージを直接投げかけることはあったわけですよね?
<つづく>