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岡田彰布「俺が怒ったんよ」“屈辱の歴史的V逸”を阪神・オリックス監督でどう生かしたか「余計な感情はいらない」「評価はしない。それだけよ」
text by
岡田彰布Akinobu Okada
photograph byTamon Matsuzono/Nanae Suzuki
posted2024/03/14 11:01
阪神タイガースを日本一に導いた岡田彰布監督。本稿ではオリックス・バファローズ時代の知られざるエピソードも明かしてくれている
「四球の査定点を上げるように」と開幕前に、おれがフロントに進言したことが、チーム全体で四球が増えた理由といわれる。確かにおれが言うたけれど、やるかどうか決めるのはフロントよ。だから実際にどういう点数で、どれだけの金額に跳ね返るとか、そこまでは監督の仕事と違う。
監督の感情は、采配に影響させないというのがおれの考え方。だから選手に対する感情や、契約内容などを頭の中から排除する。外国人に多いけど、いろんな数字で出来高の契約にしている選手がいる。おれは一切、契約の内容を聞かない。感情論も同じで、采配に余計な感情を加えてはいけない。
選手の評価はしない。それだけよ
だから選手の評価はしない。
どこをどう評価したとか、外に言う必要はない。「なぜこの選手を使うか?」の答えは単純で「ええから」。使わないのは「悪いから」。それだけしか言わない。打者なら打てるか打てないか。投手なら抑えるか抑えられないか。走者なら走れるか走れないか。守備は守れるか守れないか。それだけよ。余計な説明はいらん。
<シンプルに考え、実行する岡田采配。指導者人生の中で落合博満、原辰徳といった名将とどう戦ってきたのか? つづきは第2回へ>