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伊藤美誠の辞退で揺れる女子卓球“リザーブ”には誰が選ばれる? 予想される“2人の名前”「日本人5位の新世代」「平野美宇から勝利の21歳」
posted2024/02/29 17:11
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
JIJI PRESS
2月26日、世界卓球選手権(団体戦)の女子日本代表が帰国し、記者会見を開いた。
その席上、伊藤美誠に対して、あらためてパリ五輪のリザーブについて尋ねられる場面があった。
日本代表が決定したあと、伊藤は「私はリザーブ(補欠)には向かないかなって。なので、たぶん行くことはないと思います」と語っている。だが世界選手権では出場していないとき、戦っている選手を懸命に応援している姿、何よりも選手にかけるアドバイスの的確さなどから、リザーブとしてチームに帯同してほしいと待望する声も上がっていた。
伊藤美誠が明かした「どんな選手がリザーブになるべきか?」
その背景をもとにしたであろう質問に、伊藤はこう答えた。
「リザーブの選手というのは、私も(2016年の)リオ(五輪)のときは平野(美宇)選手にすごくたくさんサポートをしてもらって。初めてのオリンピックで先輩方がたくさんいる中で同世代がいるのがほんとうに思いきりできた理由でもあって、その中でメダルも獲れました。東京オリンピックでは早田(ひな)選手にたくさんサポートしていただいて、アドバイスもたくさんしてくださって。早田選手がいてくれたから、金、銀、銅(メダル)を獲ることができたし。コーチ・監督じゃできない部分をリザーブの選手が補ってくれたと思います。でも私は金銀銅を経験しているので、これからオリンピックに出場したい選手だったり、金メダルを獲りたい選手がリザーブとなるべきかなと思います」
「世界選手権を終えて、『パリオリンピックでリザーブ、みんなのサポートをしてほしい』っていうメッセージをいただくことがあったんですけど、アドバイスとかそういう面でサポートしたい部分はあるんですけど。私は、リザーブは今後将来を背負う選手が経験すべきじゃないかなと思います」
それを受けて早田は話した。
「それはほんとうに美誠の人生なので。美誠は美誠の人生なので。私たちはオリンピックで金銀銅を獲ったことはないですし、美誠の思いは美誠本人にしか分からないので、そこは美誠の意見を優先してほしいです」
早田の言うとおり、伊藤の意思が第一であるのは言うまでもない。そしてやはり早田の言葉のとおり、尊重されるべきだろう。